ビバ7★炎の操作を決意しました
…本当に気のせいだった。
いや、気のせいではなかったが、車に乗っていたのは買い出しから帰ってきた紗良だった。
「おおっ、おかえり」
「ただいま。アイスクリーム買ってきたわよ」
渡されたのはハー○ンダッツ。こいつわかってるぅ! とりあえず食べた。
「これうめえな!」
「美味しかったかしら。ふふ、妻として嬉しいわ」
クソォ、今更四股してるなんて言えねえぜ!
「それじゃあ代償を頂くわね」
「貰うの!?」
「貰うわよ。ふふ、今回は大サービスよ。簡単なことで済ませてあげる」
「あざーっす!」
なぜ感謝したのか自分でもわからない。
「で、どんなことだよ」
「私に、妻みたいな…つまりちょっぴりえっちなことをして欲しいの」
「は?」
呆気にとられていると紗良が豊満な胸を押しつけてきた。
「えええええええっ!?」
「もう、鼻血なんて汚いわね。ほら、拭いてあげるわ」
そりゃ鼻血もでるわ!ズボンじゃなくて下も脱いでるもの!そしてその下着で拭くんじゃねえよ!
「あ、あのだなこれは」
「ニアー二十五の童貞にはきつかったかしら?」
「きついよ! …パンパンだよ!」
「どこがパンパンなのかしら、ここ?」
と言って紗良はあるところを触った。そうですそれです正解ですよ!
「ふふ、こんなのも素敵ね」
「俺には強すぎる」
と言った途端、部屋に異変が起きた。光がついたのだ。強すぎるスパイシーエッチはすぐ終わった。そして部屋の入り口に刺客を発見した。その胸の小ささから龍羅とわかる。
「お、お前等やっぱ死にてえんだな」
龍羅の声は冷たかった。
「いや、ちょまっ」
「あなたの能力は回復なのに殺してはだめじゃない。日本語を考えなさい」
ここで挑発するなバカヤロー! 案の定返ってきた言葉は恐ろしいものだった。
「あたしの特技は暴力だからね!」
ボコボコにされた。横の人は目も当てられないような無残かつエッチな姿になっていた。
朝になった。とりあえず全員叩き起こした。そしてなぜか緊急会議が始まった。
「チキチキ。麻作君が何故来てくれたかについて緊急会議です」
司会は瑞希だ。なんとかわいらしいんだ。瑞希は行基を指さした。
「先ずは麻作君。鑑真お兄ちゃんに何をして欲しいのかをどうぞ」
ネカマ行基は爆弾を吐いた。
「女にして欲しいんです」
「無理だよ」
即答した。そりゃそうだ。鑑真は続けた。
「金稼いで本物の治療を受けろ」
そう言うと今度は別の人が、
「お金稼ぎの件でいい話がありますわ」
と話をふった。
「このあたりで、正確に言うと日光の中心部ですが、獣が大暴れしているそうですわ」
獣とは、現実世界に存在しない龍などの生き物のことである。鑑真はハテナマークが頭にいっぱい浮かんでいるのを感じたが無視した。
「そしてこちらが討伐対象、黒翼龍ワイヴァーン。報奨金は二十五億円ですわ」
瑠璃は写真を全員に見せた。
黒翼龍と呼ばれるにふさわしい黒い翼に巨体。そして力強い足。
何もかもが、この世に存在しても良いようなものではなかった。
「俺やってくるわそれ」
「無理よ。でしゃばらないで」
「無理だろこのサイズは…」
「お兄ちゃん死なないでね」
どうやら俺の正義感もこの世にあってはいけないもののようだ。
鑑真は、それでも真面目に続けた。
「みんなでいじめるなんて酷いよぉ。でもよく考えろよ。詰まるところ…」
「俺がこの炎を操作できればいいんだろ?」
「ま、まぁそれはそうね」
すると、鑑真はぺこりと頭を下げた。
「じゃあ紗良、俺にコツを教えてくれ。俺は出来るようにするから」
「い、いいわよそれくらい」
紗良の心の中はヘブン状態になっていた。