ビバ18★小さな男は都知事に泣いてました
「おい、牛女」
紗良はまだ眠っている。正確に言うと失神しているのだが、
「むにゃぁ、えっちー、むにゃ」
と寝言いっている辺りおかしい。でなんで俺はそんないわれを!
すると、自称嫁はそのまま寝返りをうった。
「寝てるだけかよ!」
そういやここまで来るのに結構苦労したし、こいつは鬱憤はともかく疲れは溜まっていたかもしれないな。暫く休ませておこう。
すると今度は、眠っている紗良に向かって蜂が押し寄せてきた。これはヤバイ。
「こうするしかねえか」
と鑑真は言うと手に火をつけ近くに放り投げた。
ほんのり暖かい火を恐れたのか蜂は逃げていった。そしてその火は紗良の毛布がわりとなった。こっちまで暖かい。
ってか、誰か来ねえかな。こんな女寝てても嬉しくないんだけどな。さっさと帰りたいよ。
するとずんずんと足音がしてくる。そのずんずんとした足音はだんだんパカッパカッに変わっていき、
目の前を馬が走っていった。
どうやらその足音で紗良も目覚めたようで、きょとんとしていたが、暫くすると鑑真に抱きついた。
「頼むからもう少し寝とけ」
そのひとことで夢の時間は一瞬で終わってしまった。
「で、ここまでこいつは起きなかった」
「ごめんなさい。ここまでとても眠くて、起きられなかったの」
何がごめんなさいだ。今まで我が物顔で天国だったくせに。俺知らないもん。
「まあいいじゃんさー。怒っちゃだめね!」
「怒ったほうがいいときもあるのよん鑑真」
どっちだい。俺知らないもん。
今はもう夜なので近くの木で焚き火をしている。民宿はあったが高いし人数がオーバーしている。
瑞希は戻ってきて、寒さに固まっている。それ以外の女衆は各自ワンセグでも見てゴロゴロしている。そして俺が毛布をかけてあげたり肩揉みしてあげている。普通は女の子がするんじゃないこれ。
鑑真は瑠璃の見ている番組を見た。
「ふーむニュースなんか好きなんだ」
「これが面白いんですわ」
よく見ると、そこには泣きながら記者会見とあった。どうやら前都知事の会見のようだ。名前は野々村龍制だ。
「やっと都知事になれたんです! うわぁあああん!!!!」
と泣き叫ぶあまりの幼稚な姿に全員笑ってしまったようだ。記者陣もこらえている。
「これ今の人のお父さんなんですの。勿論即辞職ですけれど…」
「そーなのか」
おもいっきり笑ってしまった。




