表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビバ★鑑真ーDo you need the best HARLEM?ー  作者:
ビバ1章★異世界?ビギナー始めました
1/19

ビバ1★異世界に行ってみました

 ずっと昔、日本にすんごくえらいお坊さんが来たそうな。

 みんな知ってる鑑真様だ。六回の遭難の末失明してまで来た、唐招提寺の建立者だ。テストにでるよ。

 でも、今は、鑑真なんか生きてないと思うだろ?

 違うんだ。へんてこな奴もいたもんだ。実はいる。 

 で、そいつの職業はというと…


 ニートである!栃木の。因みに栃木はブランドランキングでドベを取ったこともあるそりゃまあ目立たない県だ。


 そして今、山田鑑真の冒険譚が始まろうとしている…!


 「なんつうか辛いな、これ」

 ボイスチャットで誰かと喋っている。相手は鑑真の唯一言葉でしゃべれる人間の山田家長女の山田沙希だ。

 「あんたが性懲りもなくのんびりしてるからこうなったの」

 実際そうだ。中高共に成績優秀、運動神経抜群、眉目秀麗というものすごい人間で唯一愛すべき欠点はゲームの重度のオタクだったことだ。そんな彼がなぜ就活失敗したかというとのんびりすぎて大学の講義もあんまり受けずゲームばかりしていたら見事こうなったのである。


 「中高の時が懐かしい、かわいい女の子たちに『鑑真く~ん』とか言われてハーレム作ったことが」

 「おごれる人も久しからず、ただ春の世の夢の如しって言うんだよそういうの」

 「うるさい!姉さんは地味にかわいいからモテるんだよなぁ。俺も最近あんたのオ○ニーをおかずに…」

 「えっ、持ってんの!? おい今すぐに消せ」

 沙希の声から推測すると脳内を怒りで占める範囲が大変なことになっている。しかし沙希はすぐに戻ってきた。

 「そう引きこもってないでコンビニでも行ったら?」

 「まあそうだな」

 こうして鑑真は1週間ぶりの外出をした。


 サークルK到着。おでん購入。サークルKログアウト。


 一連の動作終了後、鑑真は帰路につく。


 そこで、大穴を発見した。そこには入場注意と書いてある。

 

 (なんだよこのイージートラップ)

 恐怖心より、好奇心が勝った。とりあえず、行きたい。子供の感情が蘇る。

 (現世に悔いはありません! 姉さん今までありがとう!)


 鑑真は穴に入った。


 穴からでると、そこはいつもと変わらない訳ではないものすごい景色が周りを囲んだ。


 ファンタジックな世界。ドラゴンとか、騎士とか、そんなのはいないが、ファンタジックだ。木とか草原とか、栃木には一応あるがここまでのものではない。


 そしてなぜか、そこでは女の子がバタバタと倒れていた。可愛いのもいるし、気持ち悪いのもいる。うわ、この子目死んでるし鼻上がりすぎだろ!


 そこで、一人生き残りと思われる少女にであう。この中で一番かわいい。一応、コミュ障なりに話しかけてみる。


 「ここはどこなんでしょうか」

 「栃木県の日光市あたり」

 キタコレ錯覚じゃん!と思い込んでいると、

 「の穴から一番近いエリアよ」

 続きを聞いて絶望した。


 「私は氷結の能力者、久本紗良よ。あなたは誰?」

 「俺は山田鑑真だよ。よくここのこと分かんねえんだよな。なんつうか、異世界から来たっつうか…」

 これで相手は驚くと予測した。しかし、

 「あなたの住んでいた世界が異世界なら、私も異世界の住人よ」

 マジか常識人キタコレー!帰り方がわかる!と思い込んでいると、

 「帰り方は忘れたわ」

 エスパーな上に絶望させられた。

 そうだ。ニートの俺は、いろんなマンガのように転生したんだ。でも、オギャーから始まるでもなく、順風満帆高校ライフがスタートするでもなく、イケメンニートのまま、賢さとMPはそのまま持ってきたわけだ。あなおそろしや。


 「そういや能力とかどこでわかるんだ?」

 鑑真が尋ねると紗良は冷徹な態度で答えた。

 「うーん。おかしいな」

 「どうしたんだ?」

 「あなたの能力、獄炎、というのだけれど、私を凌駕する能力なの」

 「どこでわかったの?」

 「このカードよ」

 どうやら課金アイテムのようだ。手を出さないでおこう。

 それにしてもすごくね?入った直後から私を凌駕する能力とかいわれたら最高じゃん!

 それをおさえ、第二の質問が始まった。

 「この女の子たちは何だ?」

 「ああ、それは私が殺したの。余りに役立たずだったから、でもあなたは違う。私、ずっと強い人を求めてたの。だから」


 そして、顔を赤らめた冷徹な乙女は言った。

 「私のご主人様になってください」


 もう一度言うわ。キタコレ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ