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消えたカラアゲの行方  作者: みりん
プロローグ
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毎日は

初めまして、お久しぶりです。

こんにちは、こんばんわ、おはようございます!


挨拶ってこんなにあるんですね…

じゃなくって


見に来てくださってありがとうございます!

新連載始めました!


自分好みの小説を見つけられない(探すのが物凄く下手)鬱憤をどこで晴らそうか…

ここですよ。ここ!

もう、書いちゃえばいいじゃないですか!

と毎度勢いで書き始められる小説たち…


なかなか自分好みに登場人物が動いてくれなかったりとか、私の日本語間違ってる!、とかボキャブラリー(?)が足りない!とか悩みはつきません。

そして主人公と自分との縁はなかなか切り離せないようです。


まあ、そんなこんなで連載スタートします。

どうぞよろしくお願いします!

 帰り道自転車を漕ぎながら思い浮かぶのは自分が死ぬ姿。


例えばこの道を真っ直ぐ進んだその先で、左から来た車に跳ねられる。


宙を飛ぶ身体。


地面に打ち付けられて骨が軋む。

果たしてそれだけで死ねるのだろうか…?

例えば飛ばされた先が交通量の多い道路だったり、身体が落ちた場所に長く硬い杭があったり、そもそも身体を跳ねた車の速度がとんでもなく速かったりしないと…。


痛みに声もでない。

痛みすら感じぬまま終わる。

身体を突き抜ける杭を見て笑いを溢す。


だけど…


「死ねない…な」


軽く息を切らせながら、はぁっ、とため息をつく少女の名は“藤 あげは”。

高校2年生だ。


決してあげはは不死等ではない。

ただ、そうタイミング良く車に跳ねられる事はないという意味で。



何をするのも面倒。

少し語弊があるかもしれないけど。

好きなことだってある。

食べること、お風呂、昼寝、絵を描くこと……。

数えたら結構あるかもしれない。


だけどやっぱり面倒なのだ。

全てが上手くできなくて、誰かが発したたった一言で努力することを諦めた。努力することから逃げた。

全てを疎かにして嫌なことから逃げ続けた。

だから自分に自信がない。

何を言われても言い返せない、信じてもらえなくてもどうしようもない、嘘をついてばかりの自分。


どこで何を間違えたのか。


不幸でもなく寧ろ小さなことで幸せを感じるのに。

家族が酷いことをするわけでもなく、苛められているわけでもない。

でもどうしてか全てが怖くて、いつの間にか暗いことばかり考えてしまう。


気づけば友達と話すときも愛想笑いばかりになって会うのが辛くなる。ついていけなくなる。

自分を知っている人がいる場所に行くのが怖い。


そうして生きることすら億劫になってしまった。


そして今日も家に帰れば自分の汚い心に死にたくなる。






 玄関で靴を脱ぎ子供部屋へと向かう。

高校生のあげはには3つ上の大学生の姉、“ことは”がいる。


「ただいま!ことはちゃん」


あげはは根っからの暗い子供ではない。

普段はそう、明るいのだ。

同級生たちより思考が子供っぽくて身体も小さくて、その事を少し気にしている女の子。甘えん坊な女の子。

姉のことはが大好きな女の子。


なのに少し自分の苦手なことを、逃げていることを突かれるとそれだけではなくなってしまう。


「あげは、あんた課題大丈夫なの?進級できんの?」


ことはが強く言ったわけではなくても言い返せないことを言われると堪らなく辛くなる。

自分のせいだと知っているからなおさら。


「ことはちゃんには、関係ないじゃんっ!!」


なんでそんなこと言うの!?

ほっといてよ!

五月蝿いなぁ!!

もう、なんでなんでなんでっ!!

自分のせいだって知ってるよ!!

だけど、でも……


「ほら、言い返せないでしょ?分かってんならちゃんとやれって」

「う、うるさいっ!!ほうっておいてよ!」


なんなの!?

もう、


『死んじゃえっ!!!!』


「っ!?」


ちがう、ちがう、そんなこと言っちゃ駄目

ことはちゃんは悪くない

私が悪い

それになんでそうなるの

そんなこと考えるのおかしいよ

変だよ

知ってる

分かってる


『死ねばいいのに死んじゃえばいいのに!』


やだ、ちがう

そういう意味じゃなくって!

あぁっ!死にたい

こんなこと考えたくない!!

どうしよう、どうしたら死ねる?

はやく、はやくしないと!

言葉が声にでてしまう!

ここはマンションだから飛び降りれば!!


「……」



あげはの頭が急速に回転してベランダの窓へと足が動く。

窓の前に立ち止まってふと、後ろを振り返った。



途中まで畳んだ服、勉強道具、落書き帳、本………



「私のもの、沢山ある…。片付けてからじゃなくちゃ………」


拳を握って部屋に戻る。

悔しい涙をこらえながらゴミ箱に物を放り込む。


ここは3階だから助かっちゃうかもしれない。ここはマンションだから迷惑かけちゃう。家族がこまる。それはどこでも同じか…。どうしよう。

手紙がいるかな…。


「……簡単にいけそうなのに、やっぱ、怖いんだよねぇ…」


次第に落ち着いて興奮がおさまったあげはは自嘲の笑みをもらす。


また今日もこうなった。

もういっそ家族の誰かが死んで悲劇を味わってみたい。


なんて思考をしたりして。



ああもう嫌だ

なんなのさ、どうしてさ

どうしてこう極端なんだろう?

どうして大切な人の死を望むんだろう?

死んでほしくないのに、生きていてほしいのに

一人残される気がしていつも怯えているのに

それなのにどうして、もういっそのこと…なんて考えるんだろう?

みんなも、こんなことを考えるのかな

こんなおかしなこと考えているのかな



わたしだけかな………








そんなあげはを家族は知らない。

そんなあげはを友達は知らない。

そんなあげはを**は――――。





読んでいただきありがとうございます!

気になる点とか発見しましたら、教えてください~

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