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infiorarsi 2  作者: 影都 千虎
復活
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「なんか自称死神に蹴り落とされて気がついたらここにいたんだよ」

 ブランテは殴られた箇所をさすりつつそんなことを言った。全員、ブランテの言っていることがよくわからなかったため、ブランテなりのジョークだと思うことにした。そんなことよりも、もう会えないと思っていたブランテとこうして会話できるということに対する喜びの方が大きい。

 実は、ブランテ復活の背景には、クリムに創られたあのモンスターたちが関わっていた。

 彼らはどう頑張っても人間であるブランテを生き返らせることが出来ないということを知っていた。しかし、自分たちが教えた方法でブランテの身体まで作り上げてしまったネロにその事実を伝えることは出来なかった。ネロがあまりにも必死に二人の身体を作ろうと努力するものだから、どうにかして報われてほしいと思ったのだ。

 結果、彼らが行き着いたのは死神という存在。彼らは死期が近い者の元へやって来る。それを利用し、モンスターの中の一体がわざと大怪我を負い、死の淵に立ち、そして死神を誘き寄せた。その時、死神にこっぴどく怒られたのは言うまでもない。

 死神から長々と説教を受けた後で、彼らは交渉を始めた。その内容は、ヴァンパイアが作った人間の身体と引き換えに、ある者の魂を現世に戻してほしいというもの。そう、ブランテの身体と魂のことだ。

 死神は最初、自分には肉体など要らないと断った。しかし諦めなかったモンスターたちは、この身体さえあれば現世バカンスが出来るとか、かなり丈夫だから強いとか、いろんなものをアピールしまくったのだ。

 結果、死神はモンスターたちとの交渉を成立させることになる。ただ、魂を現世に戻すというのはやってはならないことだ。そこで死神が考えたのは、偶然を装って、不慮の事故に見せかけてブランテを現世に戻すというものだった。だからブランテは死神に蹴り落とされたのだ。

 しかしそんな理由をブランテが知るはずもない。彼は理不尽な目に遭ったがラッキーだったと思い続けるのだろう。


 全員が揃ったので、話を始めることにした。勿論ロドルフォがネロをぶん殴った後でだ。

 ネロは一先ず、謝罪の言葉を交えつつ二年間自分が何をやっていたのかということを改めてきちんと説明することにした。

「気がついたらヴァンパイアになってて、クリムの墓を建てた後、どう生きていけばいいか分からなかったんだ。そのときは、生きる意味も分からなかったし……。それで、気がついたらクリムの家に行ってたんだ。その辺は何を考えてたのかよく分からないかな。あんまり記憶にないんだ。

 クリムの家にはまだあいつらがいてさ、多分俺を新入りだと思ってくれたんだろうな。なんかよくわからないけど歓迎されて、魔力の使い方も教えてもらって……あと、クリムを生き返らせることが出来るかもしれないって話をされた。それで、その方法を聞いたあと、ずっと血と記憶を集めて魔力で練って形にして……クリムの身体を作ってたんだ。ブランテの、身体も。

 ビアンコを作ったのは、最初ナディアを運んでもらうのが目的だった。うっかり外で襲っちゃって、そのまま倒れちゃったから、これが男だったら放置してたんだけど……。まあ、そういうこと。そうしたら、ロレーナが犯人を見つけ出すって言い出して、まだ見つかるわけにはいかなかったから、ビアンコに状況を把握させるために残したんだ。結局、ビアンコには裏切られたけど。

 ここからは、ロレーナたちも分かってるんじゃないかな。ビアンコが襲われたのはダミーだし、ロレーナを襲ったのは記憶を奪ってこれ以上俺を探させない為だった。リヴェラ君が俺の家のドアをぶっ壊したのは流石に驚いたかな」

 ネロはそこまで言うと「そういえば」と何かを思い出したのか話を変えた。

「ジェラルドって結婚したのか? そこの、女の人と」

「えっ」

「はぁ!?」

 ネロの発言に驚いたのはクリムとブランテ。クリムは町の人たちの記憶から記憶をつくられたが、クリムに関することだけだったのでこの事実は知らなかったのだ。ブランテはそもそも現世にいなかったため知っている筈がない。

「なんでルーナさんがいるのかとか思ったらそういうことだったのか……!」

「久しぶりね、エントゥージア君。覚えてもらっていて光栄だわ」

「? ナンパした女の子の名前を覚えてるのは普通だろ?」

 ブランテのその発言にルーナは苦笑した。そして額をおさえつつ「懐かしいわね」とだけ言う。

「ルーナさんをナンパってぇ……騎士時代のルーナさん、ですよねー?」

「ええ。この子、あろうことかフィーニスに呼び出されて都に来たときに私をナンパしたのよ」

「なにやってるのブランテ君……」

 全員呆れ顔だった。ブランテのナンパはもしかしたら今後も続くかもしれない。それを考えると、魔力を供給し続けるのも如何なものかなとネロは思わず考えてしまうのだった。

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