真実の飴
「ねぇ、ルーサ?貴女のご両親の話を教えてちょうだい?」
あの後二人でひとしきり泣いた後ローサさんは宣言した。
どうしても、娘には思えない、ごめんなさい。
でも、新しい家族なのは間違いないから。
私と友達になりましょう!と……。
唐突な話に面を食ってしまったが、笑いながら頷くと私を抱きしめてくれた。
ルンダさんは私を娘扱いしてくれるけど。
2人の対応はとても心地よいものだ。
それから少しずつお互いの話をしようとローサさんが提案をする。
白いつるつるとした流木の上に座り、私たちは話をする。
「私の両親?ん~……そうだなぁ、これと言って普通だったなあ。
お母さんは料理がちょっと苦手で、よく私とかお父さんが作っていたり
お父さんは器用なんだけど虫が苦手で
お母さんは不器用なんだけど男らしいっていうか……。
う~ん、上手く伝えられないなあ。」
「そう、素敵なご両親だったのね。」
改めて言われると恥ずかしいけど、私にとっては大事な両親だから
褒められると嬉しいな。
「あれ、そういえばルーサ、どうして話せるの?」
ああ、そうか伝えていなかったっけ。
そう思いながら透明なキャンディーを見せる。
「これって……。」
「うん、公園で探したの。」
「探したのって……これ真実の飴じゃないの……?」
真実の飴。
公園には全ての涙が集まる。
集まった真珠たちは色とりどりに輝いて留まる。
その中に何粒かだけこの飴が混ざっていて、それを舐めると願いがかなうのだ。
願いが叶うといったって万能ではないし、今回も一週間かけて幾つも見つけ出した。
見つけた飴の力を溜めてようやく喋れるようにとお願いをした。
強い力をもらおう、とかそんなことには使えない。
真実の飴はなくなることがないんだって。
いろいろな人の思いが結晶化して出来るものだから、らしい。