表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人魚の生き方  作者: 義昭
9/81

真実の飴

「ねぇ、ルーサ?貴女のご両親の話を教えてちょうだい?」


あの後二人でひとしきり泣いた後ローサさんは宣言した。

どうしても、娘には思えない、ごめんなさい。

でも、新しい家族なのは間違いないから。

私と友達になりましょう!と……。


唐突な話に面を食ってしまったが、笑いながら頷くと私を抱きしめてくれた。

ルンダさんは私を娘扱いしてくれるけど。

2人の対応はとても心地よいものだ。


それから少しずつお互いの話をしようとローサさんが提案をする。

白いつるつるとした流木の上に座り、私たちは話をする。


「私の両親?ん~……そうだなぁ、これと言って普通だったなあ。

お母さんは料理がちょっと苦手で、よく私とかお父さんが作っていたり

お父さんは器用なんだけど虫が苦手で

お母さんは不器用なんだけど男らしいっていうか……。

う~ん、上手く伝えられないなあ。」


「そう、素敵なご両親だったのね。」


改めて言われると恥ずかしいけど、私にとっては大事な両親だから

褒められると嬉しいな。


「あれ、そういえばルーサ、どうして話せるの?」


ああ、そうか伝えていなかったっけ。

そう思いながら透明なキャンディーを見せる。


「これって……。」

「うん、公園で探したの。」

「探したのって……これ真実の飴じゃないの……?」


真実の飴。

公園には全ての涙が集まる。

集まった真珠たちは色とりどりに輝いて留まる。

その中に何粒かだけこの飴が混ざっていて、それを舐めると願いがかなうのだ。

願いが叶うといったって万能ではないし、今回も一週間かけて幾つも見つけ出した。

見つけた飴の力を溜めてようやく喋れるようにとお願いをした。

強い力をもらおう、とかそんなことには使えない。


真実の飴はなくなることがないんだって。

いろいろな人の思いが結晶化して出来るものだから、らしい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ