75/81
「 」
彼女の願いを叶える。
それが約束。
対価は貴女の過去。
私だけが知っている貴女の過去。
貴女の想い。
貴女の思い出。
他の誰かが忘れても私たちは忘れない。
そう貴女の願いは――
――私を消して。
誰にも必要とされていないからじゃない。
人間の裏を見たからじゃない。
ましてや恋が実らなかったからでもない。
これは死ぬわけじゃない。
私は彼女たちを守っていきたいのだと、ミアルダは言った。
今まで虐げていた人たちを自分の全てで守りたいのだと。
だから、消してって言うのはおかしいわね、といって笑ったミアルダ。
彼女はきっとマーミリアとクックの近くで今も笑っているはず。
精霊のような守護霊のような。
どういう扱いにしたのかは分からないけれど、神様だからきっと上手にしてくれたはず。
それが彼女の願いだから。
私は泣かない。




