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人魚の生き方  作者: 義昭
28/81

この世界の親

朝日が昇る。

遠足当日みたいにワクワクして早起きしてしまった。


水面ぎりぎりでくるりと回転する。

合わせて魚たちもくるりくるりと回ってくれる。

楽しい。心地よい。


挿絵(By みてみん)


昨日の気分が嘘みたいだ。何かをすること、体を動かすことはいいことだね。


「ルーサ、ご機嫌だね」

「ほんとだほんとだ」

「今日は元気だね」

「だね」


初めて会った時の黄色の魚たちだ。


「こんにちは」

ちゃんと話すのは初めてかもしれない


「挨拶したよ」

「かえさなきゃ」

「早く言えよー」


「おはようだよー」


ああ、朝だもんね。

「おはよう」


「おはよう」


挨拶しなおすと返してくれた。可愛い。


「今日は初仕事―、がんばってねー」


「なんで知ってるの?」


「僕たちはなんでも知ってる」

「知ってる」

「わかるわかる」


三つ子みたい、可愛い。


「僕たち三つ子―」

「大体の気持ちわかる、わかる」


ああ、初めの時もそうだったっけ。


「そうそう、最初っから分かってるー」


「じゃあねー今日はがんばってー」

「ってー」

笑いながら行ってしまった……。


さあ、帰ってご飯を食べて準備をしよう。

初日だからね、15分程前にはついておきたい。


家に帰ると朝ごはんが出来ていた。

ハムエッグ、パン、コーンスープ、海藻のサラダ。

うん、美味しそう。


ルンダさんは何か言いたげにしていたけれど、私の楽しみな顔を見たら言うのをあきらめていた。

大丈夫ですよ、ルンダさん。危ないことはしません。


心の中で誓って、準備を始める。


9時半だ、何かあったら嫌だからもう出発しよう。


「行ってきます!」


「気をつけてね。」

「何かあったらすぐ連絡するんだぞ」


玄関で見送ってくれる2人。

前の仕事で初出勤の日も、お母さんが玄関で心配そうに見送ってくれたっけ。

そう思い出してくすりとした。

どこの親も一緒、だね。有難い。


さあ、行こう。

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