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デビル・ジュエリー  作者: かかと
赤眼のレリク篇
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赤眼のレリク 第79話

~1ヶ月後 旧首都ウルゲイ~


俺たちはとりあえず、旧首都ウルゲイを調査することにした。そこにはアクアがほしがっているものが確実にあるはず…。親父から聞いたことが正しければここにはあるはずがないのだが、それでも可能性は否定できない。そうなるとやはり探すしかないようだ。


「やっぱり、あまり復興しているとはいえないようだな。」


まだまだ、瓦礫の山になっているところが多く、死体は腐って白骨詩化している。こんな劣悪な環境でも住んでいる人はいるらしい。あまり、感じがいいやつらではないようだが…。しかし、ここにウルゲイがいないという情報は意外だった。あいつは真っ先にここに来ると思っていたのだが…。


「はい。でも宿が壊れていなければいいですね。かなり損傷していますから。大半は壊滅していますよ。まあ、この近辺であるならばという話ですが…。」

「まあ、どこでもいいじゃない。たかが1週間だし。」


そう。俺がここに滞在すると決めたのは1週間だけだ。それは単純に野郎どもに狙われる可能性が大きくなるからだ。こういう風な町として機能していない場所にはならず者が住み着きやすくなる。それに俺はここを派手に壊してしまったから、命を狙ってくるやつらも少なくないはずだ。


「さて、俺たちは散って宿を探すことにしよう。地下トンネルは後回しでもかまわない。どうせ、あんな大きな建物があるんだ。すぐに見つかる。」

「そうね。」

「僕はそれを知らないのですが…。」

「後でゆっくり見れるさ。いい場所が見つかったら、ここで、術を使え。それが合図だ。」

「わかった。」

「はい。」


「じゃあ、行くぞ。」




俺らはその場を後にした。



~旧首都ウルゲイの宿にて~


「しかし、宿が見つかってよかった。食べ物は値段の割りに少しお粗末だが…。」


ロスが肩を落として言う


「仕方ないですよ。町がこんな状態ですし…。ここら辺を見て回りましたが、どうやらここはもう廃墟とするようですね。国の兵隊が一人もいませんでした。」


それに同調するように言う


「そうね。本当にそう思う。あれから、1ヶ月半も経つ。国の兵隊がまだチンタラやっているとはどう考えてもありえない。」


俺は少し考えた。ここに守るべきものがあったのなら、どうして国はここを守ろうとしない。それにアクアも着ていないようだ。少なくともここには何もないとは思っていたが、二人の行動がどうも不可解だ。


「どうかした?赤眼?」

「いや、なんでもない。それよりも俺が戦っていたとき、お前たちは何をしていたんだ?」

「ウルゲイを救出した後のことですか?」

「ああ。そうだ。」


二人が顔を見合わせる。


「そうか…。レリクさんはそれどころの状況ではなったではなかったですよね。」


当たり前だ。バハムートを相手にするだけで精一杯だ。他のやつなんかに気にしている暇なんてなかった。


「実はあの時、私たちは赤眼の援護をしようと考えていたの。でも…。」

「でも?」

「それはできませんでした。」

「そりゃ、あの戦いに入るのは無理があ…」

「そういう意味ではないのです。我々、二人は襲撃を受けたのです。」




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