赤眼のレリク 第77話
~1週間後~
「こんなに朝早くに行くの?」
「ああ、少し人目を避けないといけないからな。」
「そうね…。」
そういって、ナルミは顔を下げた。
ここにくるのもこれで最後になるだろう…。
「ああ、そうそう。これ。」
ナルミが出したものはものすごく大きな袋に入っているプレゼントだった。
こんなに大きなものに何が入っている?
俺は中身を取り出した。
そこに入っていたのは真っ黒いマントだった。フードもついている。これなら、監視したり、尾行したりするのには便利だ。
「着てみて。」
ナルミに言われるがまま、俺はマントを羽織った。
「これは…。」
体中からマントに包まれているからか、あったかい。
「お父さんがあなたのために作ってもらったものなの。あなたの財産は私にとってはあまり多すぎるものだったし、あって困ることもないけど、困ることもあるでしょう?」
俺はナルミを見つけた。
「俺が狩ったドラゴンから作ったものだな?」
「そうよ。探すのに苦労したみたい。」
俺はナルミの腕を掴んだ。
「何でそんな無茶を…。」
俺はそうつぶやかずにはいられなかった。
「私は無茶してないわよ。後ろを向いてごらん。」
俺は後ろを向いた。
ドアの先にはラリアとロスが立っていた。
「アクアを倒すにはあなたの力が必要です。このマントならば、アクアの氷もなかなか通すことはないでしょう。ドラゴンが大きかったんで、僕たちのも作ってもらいました。」
「仲間…。そういう感じがしていいでしょ、赤眼。」
まったく、こいつらは余計なことしやがって…。
「あなたはもう一人じゃない。気をつけて。行ってらっしゃい。」
「わかった。行ってくる。」
そういって、俺は二人の下へ歩いていった。