表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デビル・ジュエリー  作者: かかと
赤眼のレリク篇
84/194

赤眼のレリク 第74話

~1ヵ月後~


「これで最後の包帯ね…。」

「ああ。そうだな…。」


ここでの生活は本当にいいものだと感じた。左手がうまく使えなかったため、彼女がいろいろなお世話をしてくれた。仕事もきついはずなのに…。


「やっぱり行くのね…。」


俺は首を縦に振った。


「すまない。」

「いいの。でも、あと1週間だけ待ってくれない?」

「別にかまわないが…。どうかしたのか?」

「いや、違うの。少しプレゼントしたいものがあって…。」


ナルミは顔を真っ赤にしていた。


「いや、別にいい。そんなに気を使わなくても…。こっちがプレゼントしないといけないぐらいだ。」

「もらってくれればそれでいいの。じゃあ、仕事に行ってくるね」


そういって、彼女は出て行った。

プレゼント…。そういえば、いつからもらってなかったか…?

そういって、俺は天井を見上げた。


とは言うものの、1ヶ月間のブランクは非常に大きい。左腕は常に固定さてしまったため、思うように使うまでには時間がかかるだろう。俺は鍛錬をするために、外に出かけた。


体が軋む。どうやらかなり鈍ってしまったようだ。このままではアクアなどには負けてしまうだろう。ロスにさえも術を使わなかったら負けてしまうかもしれないな…。


「しかし、フェニックスはまだ復活できていないか…。」


まともにあの光線をくらっていたのだ。かなり時間がかかるとは思っていたが、ここまでかかるとは思っていなかった。


そのとき、後ろに気配を感じた。




「邪魔しちゃった?」


そういって、ソフィーが首を傾げた。

しかし、俺はその子が持っているものに気がついた。


「ソフィー。それは俺がもらっておくよ。」


そういって、俺は彼女から剣を取り上げようとした。

彼女はそれを頑なに拒んだ。


「やだ。」

「どうして?」

「レリクの兄ちゃん、ここには帰ってこないつもりでしょ?」


俺は不意を疲れて、反応が遅れてしまった。


「…いや、また、」

「じゃあ、何で、いつもナルミ姉ちゃんは泣きながら、仕事に行っているの?」


そうか…。あいつ、俺の前では元気に振舞っていたのか…。


「だから、レリクの兄ちゃんに剣を習うことにしたの。そうしたら…。」

「こら!やめなさい!ソフィー!」


そういって彼女の母親がたしなめた。


「すみません。いつも…。」

「いえ、俺は別に…。」

「ねえ、お母さん、聞いて。兄ちゃんに剣を習うことにしたの。」


そういって、ソフィーははしゃいだ。俺は返事をしていないはずだが…。


彼女の母親は俺のほうをにらんだ。

この子に何を吹き込んだのか、知りたいらしい。

俺は何もやっていないのだが…。

こうなったら、仕方ないか。もう少し、ここでゆっくりしていくことにしよう。それに…。ちょうどいい。練習相手も来た様だ。


「そうよかったわね。レリクさん、怪我をしない程度にお願いします。」

「分かっています。」


そういうと彼女の母は少し不安げな顔をしながらも、ここを立ち去った。


「やったー。教えてくれるんだ。うれしい。」


そういって、ソフィーは俺の脚に抱きついた。そうか、この子もこんなに大きくなったのか…。俺はあの時何も知らなかったらな。そういって昔を思い出していた。


「どうしたの?」


彼女が心配して俺の目を見てくる。


「いや、なんでもないさ。それより、君に紹介しなくてはならない人がいるようだ。」

「えっ?お友達?」

「う~ん、仲間かな…。」

「仲間?何それ?」


この子はどういう理解をしているのか?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ