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赤眼のレリク 第72話
~地上にて~
「ここまで、ロスが冷静さを失うとは思っていなかった…。」
そういってテディーはロスをみていた。
「そうね…。そもそも、彼の師匠が赤眼のお父さんだとは思っていなかった…。」
「だな。あの人は人をひきつける。ロスもその何かを受け継いだのか?いや、それよりも今、“お父さん”って言わなかったか?」
「え?」
そういって、ラリアは顔が火照るのを感じた。
「お前がほう…。男を好きになるってことがあるのだな。驚きだ。告白はしたのか?」
「ちょっと、何言ってんの?別に赤眼のことなんか…」
「はあ、もう少し素直になれば、お前はかわいいのになあ…。」
「うるさい!」
そういってラリアはそっぽを向いた。本当はここから逃げ出したいのだが、レリクの状況を見るにここにいたほうがいいと思ったのだろう。
完全に耳まで真っ赤になっている。
「それにしても、あそこまで伝えたいことって、親父さんなんだったのか…。」
そういって彼は地面に腰を下ろした。
その瞬間、何かがなくなったのを感じた。