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デビル・ジュエリー  作者: かかと
赤眼のレリク篇
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赤眼のレリク 第65話

~テディー視点 ウルゲイ山 中部~

「アクアはいたか?」

「いえ、まだ発見できていません。」


どうなっている?彼女がウルゲイに残っている意味があるのか?それとも、目的は別にあるということなのか?しかし、あの方もレリクの親父さんまで呼んで、ここを守らなければならないようなことになるのか。


ザワザワ



人が喧騒に包まれている。それは当然だろう。あの時はウルゲイにいなかったが、話を聞いたところではかなりの被害が出ている。それにしても、ウルゲイの反対側の山にまで来るとは、なかなか考えないだろう。それに草や木もかなり刈ってあり、普通の道とあまり変わりはない。事前に彼が手を打っていたに違いない。


そういえば、アンガスさんの姿が見えない。


「アンガスさんはどうした?ここにいたはずだろう。」

「いえ、それが、何か用事があるといって出て行ったきり、戻ってきていないのです。」


何か俺はいやな予感がした。

 

「お前たちはここに残れ。俺は少し手勢を連れて、アンガスさんを探してくる。」

「しかし、命令では…。」

「聞いていなかったのか?隊長の命令はアクアがここを通らないか、見張れ。そういう指示だったはず。」

「そうですが、」

「では、そこにどこにどう人数を割り当てようが、俺の勝手だよな。」


俺はここの避難指示隊長に指名されている。彼からはそういう指示だった。それにもう避難は完了しており、人が通る気配これ以上ないだろう。俺はそう判断した。それよりもアンガスさんの行動が気になる。もしかしたら、何か別の指令を受けていたのかもしれない。彼は秘密主義だ。


「では、ここはお前に任せる。水系統の使える奴は俺と一緒に来い。」


そういって俺はそこらへんにいる救護班を連れて、アンガスさんを追っていった。



………



話によるとかなり遠くまで行ってしまったらしい。来た道を戻って行ったらしいが、そこにいったい何があるというのだろう?



俺たちはようやく地下トンネルの出口付近まで来た。


「どうやら、ここを通ったみたいだな。ここに足跡がある。」


よほど急いでいたのだろう。靴の向きが反対側になっている跡が残っていた。


「しかし、隊長、この先は1本道だった筈…。」

「そうだな。何かがある。とりあえず、行ってみるぞ。」


さすがに隊長の決定には逆らえないらしく、俺の後をついてきた。



少し先に進んでみると、なぜか道が2本に分かれていた。トンネルはダンジョンとは違い、明かりがあることはない。だから、その道がどちらかであることはよく分かる。


「何でしょう?ここは?」

「分からん。」


何かしらの研究施設か?

それにしても、劣化の状況からしてかなり昔のものだろう。いったい何のための施設だ?

大きさはドーム状になっていて、広場のように中心が開かれている。どうやらここで実験が行われていたようだ。その周りには多くのフラスコやビンがたくさんある。書類もたくさんあるようだが、どうも違う文章で書かれているらしい。俺には理解することができない。その広場の中心には台座があった。


「何かのまじないですかね?」

「もしそうだとしたら、お前は薬品を使う必要があると思うか?」

「…ないですね。」


これはどうやら、表にかたることのできない歴史らしい。しかし、どうもいやな予感がしてならないな。レリクやアンガスさんは確実に関係しているだろうことは明らかになった。それを知る必要があるかどうかはおれの自由かもしれない。だが、知ってしまったら、そこから逃れることはできないだろう。俺には知る勇気が出てこない。俺には守るものがある。そのとき、


ズズズッズゥゥゥゥゥゥウンンンンンン


「くっ。」


パリンパリン


フラスコやビンが揺れて倒れていく。

地震とは違うようだ。ここは旧首都ウルゲイに近い。

レリク…。


「大丈夫か、お前たち?」

「「はい。」」


どうやら、誰も怪我してないようだ。


「薬に触れたものはいるか?」

「いえ、いません。」


一安心だ。ここの薬品は見たこともないものばかりだ。どのようなことが起きるかわかったものではない。


「みんな、薬には触れないようにしろ。おそらく、この先にアンガスさんはいるはずだ。急ぐぞ。」

「「はい。」」



俺たちは広場の先にあるドアを開けた。


俺たちは警戒を強めた。もう、今までの道とは明らかに違う緊張感が体に触れている。



「何か聞こえないか」

「えっ?」

「はい。聞こえます。」


本当にアクアを足止めしているのか。さすがにアンガスさんとはいえどもそれは不可能だろうと思っていた。しかし、彼は何らかの術を使っているらしいことはわかった。そうでもしなくては、あの老体を動かすことは難しいだろう。アクアは普通をはるかに超えている。


「これから、アンガスさんの援護に向かう。」


俺は声を落として、その場にいる4人に話しかけた。


「ごく」


誰かが思わずつばを飲み込んだ。アクアのことは知らなくても、アンガスさんのことは有名だ。彼が適わないということが分かれば、普通は逃げ腰になる。俺はここの隊長だから、逃げるわけにはいかない。しかし、この中の一人を連れて行かないとアンガスさんに何かあったときに治療ができない。


いやな沈黙が続く。


ズガガガガ


トンネル壊す音が響く。時間がない。


「私が行きます。ほかのものはここで待機していろ。」


そう答えたのは40歳前後の男性だった。この中では一番と高齢だ。しかし、彼はほかの若い者たちと同じように動いてきた。


「分かった。」


彼の目を見たとき、俺は感じてしまった。

「俺よりも若い世代にまで、責任を押し付けてはいけない。」

そういっているように見えた。


「お互い、大変だな。」

「ええ。そうですね。」


そういったら、彼は笑った。額にはもう皺ができている。

もう帰ってこれないかもしれない。


「では、行こう。」

「はい。」


俺たちは音がしたほうへ走っていった。


しかし、ここの廊下はいったいなんだ?まるで要塞のように頑丈に作ってある。金もさることながら、かなりの技術を使ったことだろう。

それよりもアンガスさんのほうが優先だ。


見えた。あれはアンガスさんか?


その先に人がいるのが見えた。


「雷鳴」


俺は相手を動きとめるために術を放った。


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