赤眼のレリク 第61話
~ラリア視点~
まったく、その名前を理解できなかった。
私が聞いたこともない名前だった。しかし、もやしだけは目を見開いて、驚いている。
どうやら、かなり親しい人間みたい。軍を追放された彼の知り合いなんてあまり聞いたことがない。
「分かりました。」
私がそういっている間に弟は赤眼と連絡を取ろうとしている。
「ウルゲイと弟の周りを囲みなさい。敵襲に備えるわよ。今は赤眼にここを託すしかない。」
みんなは私の言うことに従ってくれた。
「砂散」
私の能力の範囲限定の探査能力。しかし、この能力には限界がある。こういった場合では、何か破片が飛んでくるのもおかしくはない。砂にあたることでそれの反応で確認することができる。砂は大体のところにはあるため、この能力は便利。この能力の欠点は動いているものすべてに反応してしまうこと。それが生物でなくても…。
「この能力は長くは持たないわよ。弟は早く済ませなさい。」
「待ってください。今、レリクさんの通信を待ってします。」
ズゴゴゴゴゴゴ
そのとき、遠くの空中で爆発するのが分かった。
「これは?」
「ロス、最大級の技で衝撃を防ぐわよ。」
「ええ。」
しかし、思ったような衝撃はこっちには来なかった。
どうやら、赤眼が守ってくれたようね。
「今、伝えました。」
弟がそういった。
「今から撤収するわよ。弟はおっちゃんと通信しながら、指示して頂戴。もやしは弟を担ぎなさい。君はウルゲイを運んで。」
すぐ近くにいた、体の大きいものにそういった。
「はい。」
私たちは撤退を開始した。