赤眼のレリク 第58話
「ハアッハアッ…何人残っている?」
「もうわかりません。大半はさっきの破壊光線でやられました。」
くそっ。こんなに強かったとは…。あれから連続攻撃を仕掛けたが、まったくといっていいほど効かなかった。それ以上に鱗の隙間を狙うというのも難しすぎた。最初の突撃で4分の1がやられ、そこからは統制が取れなくなった。統制をとろうにも隊長は俺一人、指揮系統がもともと弱かった。
40分の戦闘で5分の1にまで減ってしまった。
そこからはもう、戦闘とは呼べなくなってしまった。
「町の…民は…逃げたのか?」
「はい、運よく脱出経路は破壊されてませんでしたので、それに逃げたものはもう…。」
「わかった。もういうな。」
そこにテディーからの連絡が来た。
「レリクがもうすぐそちらに向かう模様。」
そうか…。それならば…。
「お前たちは負傷者の救護に当たれ、私がやつをおびき寄せる。」
「しかし、それでは…。」
「お前たちはまだ若い。死ぬには早い。さっさと行け。」
私は家によじ登り、大声で叫んだ。
「化け物、こっちを見ろ。」
ギオオオオオオオオオオオオオ
どうやら、「沼」からは抜け出したらしいな。
炎では勝ち目がない。封印術ももう当たらないだろう。
目くらまししか、効果がない。
「雷光」
ギオオオオオオ
「今だ。行け。」
数人の若者が駆け出していく。
死ぬなよ。
グオオオオオ
それでかなり怒ったのか、バハムートは術エネルギーを溜めているようだ。
この状況ではもう逃げ切るのは不可能か…。それにもういくらか骨を折っている。そう簡単には逃げ出せそうもない。
「「「「「「隊長」」」」」」
下から声が聞こえた。声の聞こえ方からしてどうやら、うまく救護へ向かっているようだ。
私は彼らがいるであろう方向へ顔を向けて小さく言った。
「生きろ。」
正面を向くとバハムートが破壊光線を放とうとしていた。その体には何十本かの剣や弓が刺さっている。みんな、それなりにがんばってくれたようだが、足止めはここまでだったな。
「私も今からそっちへ行く。」
亡き者たちへ私はそうつぶやいたとき、いきなりバハムートが真横へと吹き飛ばされた。
レリクめ、いいところにきたな。