赤眼のレリク 第54話
~旧首都ウルゲイ 某所 レリクたちが着く1時間前 ウルゲイ視点~
ギオオオオオオオオオオ
「ついにきたか…。どうやら、レリクのほうが正しかったようだな。」
私の目線の先には伝説の怪物がいる。ここの戦力では太刀打ちができない。ここはすばやく逃げることが先決だ。
「町の民を移動させろ。行き場所はわかっているな。」
「はい。しかし…。」
「私はここに残る。あの人の言っていたことも気になるし、どうやら、これはこの国だけでは収まらない事態かも知れん。」
「どういうことです?あなたはいったい何を知って…。」
「いいから、早く行け。ここは私に任せろ。それに半分の人はおそらく死ぬことになる。それよりも生かすことを考えろ。死ぬと思った人は切り捨てていけ。それが君の仕事だ。後、私と一緒に来たいものがいたら、私と一緒に広場に集合するように伝えろ。そして、死ぬことを念頭に入れておけとも。もうわかっているな。若者を優先的に民の先導役に任命しろ。後は運よくレリクがここに来てくれることを祈るばかりだ。」
「わかっています。」
「これが最後だな。今まで、よく私に仕えてくれた。礼を言う。さて、私もそろそろ行くことにしよう。」
「いえ、隊長。」
「何だ?」
「今までお世話になりました。」
そういって、涙をためながらも敬礼している副隊長に俺は敬礼し、出て行った。