赤眼のレリク 第29話
~数日後~
~首都メラル~
ここはメラル。この国の首都だ。この国でここ以上に情報が集まる場所はない。俺のスタイルはいつも情報が集まるまで、そこの国の首都にいて何らかの情報が入ったらそこに出向くというのが普通だ。昔は情報屋に頼んでいたが、なぜか消されることが多くこのほうが意外と情報がよく集まるのだ。今回の目撃証言は多いはず。早く集まるだろうと思っていたのだが、なかなか集まりが悪い。
「何の任務を受けます?」
「雑務だ。」
「マジですか?」
「ああ。大マジだ。」
雑務は冒険者が嫌がる仕事だ。無駄に体力を使う。たとえば、剣を作るから火を消さないようにしてほしいとか、引っ越しを手伝ってほしいとか、いやがらせをしてほしいとか…。とにかく冒険者が思っているハラハラ感というか緊張感がないのだ。それを求める奴らは死ぬことが多いのだがな。それにいやな仕事が多い。本当に…。雑務は停滞してることが多く、それを受けて解決すれば割と感謝される。溶けこめたところで彼女のうわさを聞く。そのほうが俺たちの情報が漏れにくい。雑務っていうのはなくなることがないからな。引越しをまったくしない都市なんてのは存在しないし…。だから、ギルドも悩みの種でもあるだが…。
「これなんかどうですか?」
「何だ?」
「よくわからないですが、何かの試食です。」
「お前、どういう基準で任務を受けてきたんだ?内容が書いていないものはやばいものが多い。それがたとえ雑務であったとしてもな…。それは止めたほうがいい。死ぬぞ。」
こういう任務を一回受けたことがある。試作がうまくいけばいいがうまくいかない場合は地獄が待っている。首都ではごみにも税金をかけている。そのため、試食を作る側にとっては食べてもらったほうがいいということだ。しかし、受けたこっちはたまったものじゃない。初めのうちはいいが、どんどん追加されていく。それがコース料理だったりすると考えなくても分かるだろう。内容が書いてないやつは特にやばい。何かゲテモノ的なものを食べさせられることもある。
「そうだったのですか。じゃあ、止めておきます。」
「もっと普通なのはないか?」
「これなんかどうですか?庭の草抜き。報酬は…一カルト…昼食付き。」
「破格で安いな。俺たちを舐めてるのか?それとも何か違う事情でもあるかもしれないな。何か匂う。いい感じの任務だ。」
万国共通硬貨のカルトで取引はされる。普通の家庭での収入は一カ月で10000カルトぐらいだ。この任務は破格で安すぎる。まあ、恩は売ることができるだろうな。そうきつくなさそうだし。それに何か事情があったら、儲けものだ。それにもうそろそろ男二人での食事にも飽きたところだ。
「それにしたらどうだ。楽だし。」
「そうですね。受理表をもらってきます。」
雑務は終わった時にサインがいる。討伐などとは違って確認の仕方がないからだ。ギルドは先払いでお金をもらっているからいいかもしれないが、任務を受けているほうはそうはいかない。もらえるのともらえないのでは全く違う。しかも、任務を失敗したという形になるためあまりよいことではない。ギルドは見て見ぬふりをしているが…。雑務を引き受けている人が少ないからだが…。それにしても、雑務は本当に量が多い。このほかにも1000はくだらないだろう。