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デビル・ジュエリー  作者: かかと
赤眼のレリク篇
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赤眼のレリク 第13話

~ダンジョン広場~


結局何も出なく、モンスターも出現しなかった。目標の広場には着いてしまったため、俺はテディーを含む傭兵たちと別れ、1人で行動することにした。前の任務でも探索願いが出ていたため、今回は火薬が設置される間のみ、俺が一人でダンジョンを探索することになった。彼女がいることは確かだろうが、隠れていてはさすがにこちらも分が悪い。少しずつでも探し回ったほうが彼女の作戦も見抜くことができるはず。それに作業の間は俺たちは待っているだけなので、正直緊張しっぱなしで、俺には性格上、そういった作戦が向かないのだ。それを感じてかテディーが気を使ってくれて、今こうして探索をすることになった。火薬はあの広場に設置しただけで壊れる量になっているらしい。一応、俺は国に何かと目をつけられやすいので、テディーと定期的に連絡を取っている。


あれから20分程度歩いたが、まったく襲う気配すらない。


「どこにいる?何を一体考えている。」


彼女もここを爆破されることを気がついていないとは思えない。時間かけることは確かにこちらの体力を削ることになるかもしれないが、先に爆破されたとあってはまったく意味がない。少し先に広場があるらしい。そこに俺は行ってみる事にした。


~ダンジョン広場2~

「何だよ、これは…。」


そこにあったのは死体の山だった。すべて心臓を一突きされている。それだけレベルの違いがあるということだ。テディーはともかく普通の騎士では対応できないだろう。あくまで騎士なのだ。正統派が何でもあるような卑怯な戦法にはかなうはずがない。それが証明されているのが彼らの剣に刃こぼれすらないことがその証明になっている。大方、1人人質に取られて降伏したのだろう。そこから待機していたモンスターに襲わせれば一瞬で方がつく。しかし、俺はこういうやり方があまり好きではない。騎士の人たちには悪いが、勝つためには手段を選ばないのは傭兵としては普通のことだ。死んでしまっては元も子もない。馬鹿にしたやり方が気に食わないのだ。今回の作戦ではこの人たちは殺さなくても死んだだろう。他の奴だってそうだ。俺は大丈夫かもしれないが…。それよりもテディーはどこに行った?あいつならそれなりに対処できたはずだ。ここまで殲滅させられたということはないだろう。俺が少し調べようとしたとき、テディーから連絡が来た。


「どうした?」

「レリク、敵襲だ。すぐに戻ってこい。」


「何?敵はいったい誰だ、おい、テディー、聞こえるか?」


俺は来た道を戻っていった。その間も連絡を試みたが、テディーの電波は途切れていた。連絡を取ることのできる状況ではないということだろう。俺は全速力で走り出した。



~ダンジョン広場・テディー視点~


「ハアハア…」


周りは血の海と化している。戦っているのは数人の騎士、そして傭兵たちだ。彼らはモンスターと戦っている。しかし、思ったよりもモンスターが強い。前と同じモンスターだが、体が一回り大きく、何よりスピードが速い。傭兵たちも苦戦を強いられている。俺は目の前のモンスターを殺し、助けに向かおうとした。


ゾク…

そのいやな感覚とともに俺は身を前にかがめた。


「へえ。なかなかいい動きするわね。まだこんなやつがいたんだ。」


俺が後ろを振り向くと長いストレートな髪形をした女が立っていた。背丈は150センチほどだろうか…。かなり小柄な体系だ。

そうか、こいつがレリクの言っていた彼女か…。思っていたよりも美少女だった。

本能的にか彼女はやばいと全身が言っている。

体がこわばっているのがその証拠だ。


「あなたがテディーさん?思っていたよりも老けているわね。まあ、彼が来る間、私と一緒に楽しみましょうか?」


そういって彼女は俺に切りかかってきた。


ギィィィン。


「くっ…」


一撃が重い。なんてパワーしていやがる。これじゃ、俺もそう長くは持たんぞ。


「ぎゃあ。」


どうやらあっちもかなりやばい状況らしい。


「人の心配している場合かなあ…。」

「!!」

そういって彼女は、俺の左わき腹を蹴った。俺は無理に堪えずにごろごろと転がった。


「テディーさん。」

傭兵の一人がこっちに来ようとしていた。


「こっちはいい。お前らはモンスターをやれ。」

「なめられたものね。私を相手にしてそんなに持つと思ってんの?あなたは面白そうだから、生かしてあげようかなと思っていたけどそれはやめにするわ。さっさと死になさい。」


異常だ。こいつの強さは…。俺は奥の手をはじめから使うことにした。長くは持たないだろうが、おそらくレリクが来るまでの間の時間稼ぎにはなるだろう。


ヒュン


彼女の剣先が俺ののど元を掠めた。


「伊達に老けているだけではないようね。その体に何をしたのかしら?」

「さあな。知りたければ俺を殺すがいい。奴が来るまでの時間稼ぎぐらいはできる。」

「生意気ね。でも、私には勝てないということを知っているのは感心するわね。普通の傭兵は逃げるもの。そういう人は私嫌いじゃないの。やっぱり生かしてあげようかな…?」

「変わったこと言うやつだ。あんたはいったい何がしたい?」

「それは教えられないわ。じゃあ、楽しみましょうか?」


そういって彼女は剣を構えた。


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