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デビル・ジュエリー  作者: かかと
赤眼のレリク篇
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赤眼のレリク 第11話

~ガーネット山近郊~



俺は少し川辺に座っていた。こういうところにいると心が安らぐ。小さいころは本当に水が大好きだった。あの冷たさ。自由な感じや型がないところ。俺はそういう風な人間になりたかった。人の考えの固執せず、自由にいき、そして自由に人を助ける。だからこそ、ギルドに入って多くの人を助けようと思っていた。親父の背中を見ているとそう思った。親父は国では英雄として今も扱われている。しかし、親父は人殺しだ。俺は昔も今もそう思っている。俺自身も。戦争だから、人を殺しまくって、英雄として活躍していた。残忍ともいえるあの親父の強さは俺を心底悩ませた。そして、親父の気持ちがまったく理解できなかった。あそこまで守るものとは一体何なのか分からなかったからだ。俺はあの日を境にして親父とは違った人殺しになった。もちろんそういった任務は避けるようにしている。しかし、名前が売れるにしたがって俺の周りにはそういって連中がうろつくようになった。あわよくば俺を殺して名を上げようというもの。俺を利用しようとするもの。俺は世界で有数の傭兵になったことで待っていたものは英雄という名ばかりの称号と孤独だった。何回かくじけそうなったが、ここまでやってきたのも彼女のおかげなのかもしれない。彼女が強くなれば、俺も強くなる。今の俺を支えているものは皆が持っているような“生きたい”とかそういう感情ではなくて、彼女を殺してでも止めなければならないという使命感だ。だが、あの日から何かが足りないことに気がついた。その何かはどういったものなのかはまったくわからない。心が空いたような…虚無感のような感じに近いのかもしれない。自分の信念を貫いてどんな時も人に屈せず、人に従わず、孤高に生きてきた。その分障害もあったが、自分なりにそれを乗り越えてきた。結局、その何かはつかめないままだった。考えても答えなんて出なかった。俺をここまで上り詰めさせてくれた彼女ならその答えができるはずだ。だからこそ、彼女を捕まえれば答えはきっと出るはず。



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