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デビル・ジュエリー  作者: かかと
リオ・リチャード篇~第Ⅰ章~
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リオ・リチャード第30話

「くそ、どうにかならないのか!」



リオ・ティルの混成軍はすでに敗走に移ろうとしている。


初陣ということもあり、実際に仲間が死ぬことが少なかった今までの自警団とは違うことをまざまざと見てしまったのだろう。

作戦上は問題ない。それはある程度考慮している。

しかし、敗走に移るのが早すぎる。


このままでは相手の左翼が予定よりも早く、テミール将軍に向かうことになってしまう。

さすがにテミール将軍も全軍を相手にできるほど余力はない。


タミルも援護に向かっても状況は変わらないに違いない。



「もう少し時間がほしい。あまりに早く後退しては…。」

「リオ様、しかし、数も力のうち。今回はこちらが1000に対して、相手は1500。その上、経験、実力ともに相手が上回っています。」



今はそれぞれの100騎隊長がなんとか兵をなだめようと頑張っている。



「ティル、このまま引けば今後の軍の編成に大きくかかわる。」

「?」



少し難しかったか…。



「正直に言えば、僕は完全に戦わずして逃げたと誤解される。そうなれば、僕たちの地位も危うくなる。」


ティルの表情が変わる。


わかってくれたらしい。



「やることはわかっているな。」

「はい。リオ様。」



「僕の後ろは任せたぞ。」



そう言って二人は副官を無視し、軍の殿となるため、敵兵に突っ込んでいった。





レオンは戦況を見ていた。


リオの軍の敗走が想定よりも早い。


「状況的には悪い上に、今後にも影響してくる。しかし…」




その時、伝令が来た。



「報告します。リオ様・ティル様が軍の殿となるべく、突撃した模様。至急、援軍を要請したいとのこと。」



あの馬鹿二人は…。



その時副官が耳打ちした。



「どうします?こちらはテミール将軍の援護、また、術の準備で余力はありません。」


「ルヴェルはどうしている?」


伝令は答えた。



「部下の報告によれば、200騎の援軍を送っているとのことです。しかし、その中には術師が含まれておらず、今の状況では…。」



「いや、いい。お前たちもわかっているだろう。あの二人には術が効きにくい。その分、水系統の回復術も効かない。俺たちはこのまま、援護を続け頃合いを見て、シーリーの軍と合流する。あちらは気配を消しているがいつかは見つかる可能性もある。少しずつ、兵をシーリーに送れ。相手の軍に気がつかれないように。」


「はっ。」



彼は走っていく。



「もう一人伝令はいるか。」



「はい。」



「ルヴェルに術の詠唱を始めるように言ってくれ。ここまで、戦況が崩れれば、相手には聞こえはしないだろう。」



「はっ。」



彼もまた走っていく。



やはり、リオのほうが問題か。



レオンはリオのほうを見ていた。






「くっ、さすがに本体は強い。」



テミール将軍は愚痴た。



「今回、いや、そういうことを考えても仕方ない。」



伝令が走ってくる。



「レオン様の援軍が到着。そしてタミル様の軍が右翼を迎撃しています。」



「ふむ。」



悪くないが、相手を釣る必要がある。そのタイミングが重要だが、



血相を変えて違う伝令が走ってくる。



「リオ様・ティル様が突撃した模様。」


「何?いったいどういうことだ。」



そう言って、リオ王のほうを見ようとした瞬間、相手の切りつけてきた。



「甘い。」



俺はその兵の頭を飛ばした。



「それは本当か?」


「ええ。」




というよりも見たほうが早かった。




あの二人なら大丈夫だろう。


「作戦にかかろう。徐々に軍を引け。タミルの軍も同じように。」



「はっ。」



伝令が走っていく。さて、俺も戦うとしよう。







ルヴェルは遠くから眺めていた。


「リオの軍がやばそうね。」


「はあ、しかし、そういう風な兆候は見られませんが…。」


「それは今だからよ。もう少ししたら崩れるでしょう。こちらから200騎の援軍を送ります。レオンに伝令を送って。そして、術師は力をためなさい。そろそろ頃合いでしょう。」



「はっ。」



伝令は走っていく。



「しかし、あんなに援軍を送って大丈夫ですか?」


「そう思うなら、早く準備に取り掛かりなさい。」







シーリーは森に部隊を隠していた。


「この数では霧を作るのには足りているけど、持続性がない。そこら辺はわかっているかね。」


副官が答える。


「彼らも馬鹿ではありませんが、何せ混成軍でこの人数です。少し無理があります。」


「そうだね~。しかし、それじゃあ、作戦はうまくいかないだろうに。」



その時、兵が後ろから現れた。



「それも計算のうちか…。しかし、レミール将軍が気づかないか…。」


副官は言った。


「考えても仕方ないでしょう。そちらはテミール将軍に一任するしかないでしょう。」



「そうだね。」



では、彼らを混乱させましょうか。



シーリーは体を発光させた。

視点がいろいろと変わって難しいかもしれません。

もし、わからないところがあればコメントをお願いします。

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