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リオ・リチャード第27話
「間に合ったか。」
レオンは息を切らして正門に向かった。
地響きを上げながら、城が崩れていく。
「あの人たちなら大丈夫だと思うよ。レオン。」
「リオもなかなかやるからね。負けやしないさ。」
「また、そういう聞き方を、」
「まあ、そんなに争うことではないし、シーリーは雇っているからな。」
その時、砂塵の中に5人の面影が見えた。
「無事だったな。」
彼らは近づいて行った。
「それで、タミル、首尾は順調か?」
「ええ、つつがなく進んでいます。」
「僕たちは?」
「心配ない。疲れは見えるが、レミール将軍も疲れがあるはず。その点では問題さ。」
「さて、これからどうするかだが、タマラコス平原へ向かう。俺たちは兵力で劣り、経験で劣っている。なんとか奇策で乗り切るしかない。」
「レミール将軍の編成は騎兵隊が中心だと聞いていますが。」
「ああ、あいつらしい。無駄なことは嫌いだからな。」
「では、私に策があります。」
それをレオンが言い、僕たちはそれを採用することにし、出陣した。