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リオ・リチャード第22話
「一応、気配は消していたはずだけどね。」
そう言って、シーリーは僕を見た。
「戦闘していればいやでもわかりますよ。」
「こちらの方は?」
テミール将軍は警戒の姿勢を崩していない。
「お一人はご存じのはず。ギルドマスターの一人のシーリーですよ。」
僕は左にいる女のひとを指差した。
「なるほど。あなたが。」
「隣がティルです。僕の部隊では副隊長を務めています。」
真ん中を指差す。
「その隣は情報屋のミランダ。この人たちは僕の仲間です。」
「そうか、なら、問題ない。」
「一応、役者は揃った。後は実行あるのみだが、シーリーには伝言を頼みたい。」
戦場はタマラコス平原にする。
それがいかに重要か僕たちにはわかった。