リオ・リチャード第16話
「さて、なんとか連絡は届きそうだな。後は我々がどう動くかだな。」
テミール将軍は少し元気になったように見える、
普通は牢獄に入っているのが好きという人はいないだろう。
「そうですね。しかし、協力してくれる人がいないと難しい状況です。」
「そうだな。」
テミール将軍は街を歩きだした。
「そもそも君なんかを気にかける上層部もよくわからん。君を普通に仕官させればよかったろうに。」
「そういうわけにはいかないでしょう。普通は。血筋は王族に違いないですから。」
「ふむ。」
僕たちは錠をはずした後、普通に牢獄を出ることにした。
見張りがいない以上、楽に出ることはできるが、僕が危惧していたのはテミール将軍の正体を知られることだったが、彼に言わせれば、自分が本物なのだから出たほうが都合がいいといった。
「これからの作戦は考えてあるのか?」
「いえ、これらはすべて想定外でした。この先は考えてはいません。」
「なるほど、君が策士というわけではないようだ。では、私が少し手回しをしてみようと思う。それに状況は君が思っている以上によくない。」
彼は現状と自分が思っている策を言った。
「確かにうまくは…。」
「わかっている。しかし、犠牲なくしてこの危機は乗り越えられない。作戦の要は我々が、この1日どう動くか、もしくは彼らがそれを聞いて何を思うかによるだろう。おそらく、タミルのことだ。理解はせずとも、すぐに行動を起こす。それまでに我々が出来ることはただ一つ。」
「速やかに住民を避難させることだけだ。」