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デビル・ジュエリー  作者: かかと
赤眼のレリク篇
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赤眼のレリク 第4話

~ガーネット山近郊の宿場町~


「レリク、それが新しい槍か?」

「ああ、きれいだろう。エメラルド色で。」

「目立ちすぎているような気がする。それに普通よりも長いな。扱いには慣れそうか?集合は明日の予定なのだが…。」


今現在、練習している。場所は宿の隣の広場だ。だいたい宿には広場が近くにあることが多い。宿に泊まるものは冒険者か旅行者が多く、だからこの広場の使用料を一緒に徴収している。使わないときなどはあらかじめ宿に知らせておく必要がある。宿自体も泊まってくれる人がいなくては、経営が成り立たなくなる。ということで、あらかじめ使用料を取ってしまおうということだ。勝手に使われたときに対処に困るから。冒険者もそこらへんはちゃんとわきまえている。ただでさえ、野宿することが多いのだ。宿がある場所ではある程度、安全なので休息できる。野宿は何かと神経を使うことが多い。この宿の広場には的などはないので、自己鍛錬に使われることが多いらしい。俺は今日始めてきたので、知らなかった。俺は術自体の規模が大きすぎる場合があるので、出来るだけ使わないようにしているからだ。他の冒険者や旅行者に迷惑をかけると面倒なことになる。


集合は明日なのだが、この槍を使いこなせるようにするために練習をしている。マラリスの影響からかどうも、火の術が強すぎるらしい。術器なので術を付与しても壊れる心配はないが…。


「くそ!火を使うとどうも手が熱い。」


術器自体が木の系統であるためにその影響が術器にも出てくるらしい。俺が思った以上に熱を帯びてしまい、エメラルドというよりはルビーのような色になってしまって、炎槍みたいになってしまっている。このままだと術器の系統を木にした意味がない。なんとか、形にしなくては…。いや、そうか…。


「ふぬ。」

「すごいな。」


部分的に俺自身の熱を高める方法があった。あまり熱すぎるとよくないかもしれないが、やけどをしない程度なら大丈夫だろう。俺には熱に対する耐性もある。


「なかなか、難しいよな。部分的な術の使用は。俺もやろうとは思っているが、うまくいっていない。それが使えるとずいぶんと楽になるのだが…。」

「思いのほかうまくいったよ。しかし、木系統を組み合わせるのがどうも難しい。このままじゃあ、以前と大して変わらない。術器の分、火系統が強くなっただけだ。」

「それでもいいんじゃないのか?お前ほどに火系統の術が強いやつなんて、今までに聞いたことがないぞ。少なくとも火系統では負けたりすることはないはずだ。」

「火系統だけだと相手は事前に対処しやすい。出来れば、木と組み合わせたような術が好ましい。術のバリエーションも増えない。」

「そうはいってもだな…。普通は優劣がつく様な系統は組み合わせないぞ。相対するものが一般的だが…。大体、術を組み合わせることが出来ること自体が高等な術なんだ。出来なくても十分にお前は強い。」

「お前はそれでいいかもしれないがな。」


俺には倒さなくていけないやつがいる。あいつにはこういった小細工が必要の可能性が高い。今のままじゃ、確実にあいつに負けてしまう。1年前みたいに…。


「そうあせる必要もない。任務が終わってからでも、十分に練習は出来るはずだ。そんなに早く完成形に持っていかなくてはいかないのか?」

「………。」

「まあ、無理はするなよ。明日は任務だ。さすがに体調不良だと他のやつらに示しがつかないぞ。じゃあ、俺は先に帰る。ほどほどにしておけ。」


正直、示しとかプライドとかはどうでもいいのだが…。

しかし、このままではダンジョンに入ったときの不安はやはり大きい。今回の鉱山は槍が使える場所だ。練習の場としてはかなりいいものになると考えている。


木系統があまり用いられないのは攻撃性かけるからだ。建築などでは役に立つし、防御でも打撃系の術に対してはかなり有効だ。攻撃となると使用用途が限られてくる。相手を拘束や葉っぱを使った目くらましや、木を矢に変える術ぐらいしかない。ほとんどの系統はそのまま放つことが出来るから、木だけの特性とはいい難い。防御でも他の系統も使う。木だけの何か特性を生かした術を使いたいと思っている。それに火系統をあわせることによって、攻撃的にかえる。何かしら方法があるはずだが…。


「…うまいこと思いつかない。」


そういって俺は試行錯誤を続けた。

~6時間後~


「ハァハァ、何とか形にはなったようだ。」


これでいいというわけではないのだが、一応自分が納得いくようないい術が出来た。

明日は何とか乗り切れそうだが…。エネルギーを使いすぎた。

早いところ、休まなければ…。


「お前、まだやっていたのか…。って何だ?ここはぐちゃぐちゃだぞ。」

「ああ。後で謝っておくよ。正直、ここまでとは思わなかったんだ。」

「俺は別にかまわないが、別料金を取られるぞ。ここまで壊したら…。」


闘技場のような感じは全くなく…。完全に崩れ去っていた。



「別料金を頂きます!」

そんなに起こらなくてもいいだろ。すぐ治るだろ。


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