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デビル・ジュエリー  作者: かかと
リオ・リチャード篇~第Ⅰ章~
136/194

リオ・リチャード第10話

彼は両手を鎖で壁につながれていた。



「ここでは犯罪人ということになるかと思います。」



よく見ると彼は体のあらゆるところに傷がある。

当然ながら、上半身は裸だ。



「そうだろうが、私が聞いていることはそうではない。君はどうやら、私と同じような感じの気がする。」


「同じということは?」


「政治犯ということだ。俺もこの戦争に反対しえてね。まあ、君は関係もないだろう。」



彼は少し顔をしかめた。



傷ついた体が痛むのだろう。



「しかし、君はよくこんなところにきたものだ。」



「話はそこまでにしたまえ。」



僕らが振り返ると格子の外に男がいた。



「二人ともよく暴れたものだ。おかげで2000の兵士のうち1400は使い物にならなくなったよ。大した損害ではないが、留守部隊としては少し物足りない兵力だな。」



ということは…



「私がテミールだよ。」



立っている男が言った。




「それは嘘ですね。」

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