クレオール第4話
クレオール
「くっ、火系統は何とか避けることが出来るが、雷には対応できない。」
俺は水系統も扱うことが出来るが、木は雷で燃えてしまうことが多く、水では電気を通してしまう。
「何とか…ならないか。」
すると、後ろから火柱が迫ってくる。こんな術を昔は使っていたのか?
俺は剣に力を込め、水を発生した。
ボオオオ
火柱に当たった水がおかしい。
ボカアアア
俺は反対の壁まで引き飛ばされた。
頭が朦朧とする。
しかし、後ろには風が迫っている。
「樹」
俺は瞬間的に木を成長させ、それを盾に防いだ。
それに対応を出来たことが分かってか、複数の穴から雷、火、風が今にも発射されそうだ。
俺は咄嗟に木を成長させ、上に逃れようと考えていたが、
ガクッ
膝がその場に落ちてしまう。
「くそ!」
3つの術が俺に迫ってくる。
「俺はこんなところで…。」
そのとき、俺には光が見えた。
テディー、エムスそしてソフィーは闘技場へと急いでいた。
「あそこはあくまで養成場のはず。何回も使ったが、相手が倒れるまで永遠と動き続ける。しかし、殺すような機械ではない。今はクレオールの術の力も感じ取るできる。」
エムスは言った。
「止まったということは異常なのか?」
テディーがエムスに尋ねた。
「あれは10分は動くように設定したはず。もし、それが止まっているとしたら、彼が倒れているということになる。しかし、今回の術の発動を見ていると少しというよりもだいぶおかしい。もしかしたら、彼がものすごい能力を秘めているというのなら思い当たる節がある。」
ソフィーは尋ねた。
「それって…。」
「そうだ。それが機械の弱点ともいえるだろうな。純粋な能力だけを測っているだけだ。もちろん、それが限界ということも考えられる。しかし、本人が使える能力と、限界値が大きく離れていた場合、機械の暴走が起きてしまう。出来れば、それは考えたくはないが。」
彼らがドアに近づいたとき、光が見えた。
「これは…。」
ゼリー状の物体、そして、その中にあらゆるところに幹が絡まって、クレオールを防いでいるように見える。
「テディー、彼のことを頼むぞ。レリクは暴走を起こすことはなかった。しかし、彼は分からない。ソフィーも彼をちゃんと見てやってくれ。」
2人は頷いた。