赤眼のレリク 第109話
~最終戦~
「ロス、ラリア!俺たちを信じろ。」
「円状炎」
俺は火の渦を4人の周りに作った。
しかし、彼女は後ろに飛んだ。
「くそ、動きが早い。」
それに、ロスとラリアはこの状況に飲まれている。
「レリク!彼女の動きを止めないと!」
「わかっている。」
「雷鳴」
部屋に超音波が響く。
「ハハハハハ…。馬鹿な人間よ。」
彼女の術エネルギーが増した。
「何してるの!」
アクアの声が響く。
「えっ?」
キィィィン
俺が彼女の剣を受け止めた。
「ラリア!油断するな!」
俺は彼女の剣を受け止めた。しかし、その重みで地面が沈む。
「くそっ…。なんて力だ…。」
ロスが彼女を後ろから切りつける。
しかし、それは空をきり、彼女は着地した。
アクアがその動きを見切って、正面から切りつける。
ギギガガガガ
アクアの周りが剣圧で壊れていく…。
「なんて、戦いをしやがる。」
俺は毒づいた。
「彼女の弱点は?」
「わかっているだろう?この部屋から出ることができないこと、そして、あの機械が彼女の行動を制限している。」
「あれが…。赤眼。あれはいったい?」
「質問は後だ!」
「キャアアアアア!」
アクアが頭を押さえつけえて、座り込んでいる。
もう、始まったか。
アクアの前に剣が迫っている。
キィィィィン
重い…。
「まだ、邪魔するか、レリク。」
「おらああああ」
俺は彼女の剣をはじき返した。
後ろでアクアが立ち上がった。
「ごめん。レリク。」
彼女の額には汗が出ていた。もう、彼女は限界に近い。“初代”の力、もうそんなに残っていない。
「ぐわああああ!」
ロスが拳で腹を殴られた。しかし、彼の体は壁まで吹き飛んだ。
バキバキ
ドサッ
“パソコン”が壊れる音がする。
「ふふふふ。どうやら、奴もここがばれることはないと思っていたらしい。物理能力は防ぐことはできないようだな。力が溢れてくる。」
まずい。
俺はロスを見た。
気絶しているのか、死んでいるのか、もう判断はつかない。
「ロス、こいつ。」
馬鹿!
「砂塵」
「水流」
間一髪、アクアが術を防いだ。
「落ち着いて、ラリア。あなたなら、この状況ができるはず…。」
俺はアクアの体を蹴った。
俺の腹に痛みが走る。
「ぐっ。」
「赤眼!」
ラリアの声がこだまする。
俺は彼女に向けて、槍を振るった。しかし、彼女にあたることはなかった。
彼女は華麗に着地した。
「無様だ。レリク。貴様は…。」
アクアはその言葉を無視して切りかかる。
やばい。見えている。
「アクア!」
「見えている。」
彼女はアクアの首を狙った。しかし、それは
ブシャアアア
血が飛び散った。
「ラリア…。」
「くそっ。」
俺は彼女に蹴りを入れたが、かわされた。
ザッ
アクアが俺のそばによる。
「これで邪魔者はいなくなった。」
俺はラリアを見た。
「これでは…。」
アクアは呻いた。
「貴様ら、俺とともに来い。お前たちは普通の人間と違う。」
しかし、アクアは反論した。
「普通の人間よ!あなたに操られてなんかいない。」
「では、お前は自分の意思で殺しに手を染めたのか?」
アクアは黙った。
俺は言った。
「あんたが考えていることも理解できないわけではない。しかし、人間を滅ぼしたところで、何一つ変わらない。」
彼女は叫んだ。
「何百年も見てきたが、人間はまた破滅の道へ向かっている。それはレリク、お前が知っていることだろう。」
……。
「人間は滅ぶべきなのだ…。私が…。」
俺はその言葉を受け継いだ。
「この世界を支配するか…。または作り直すのか?」
「わかっているじゃないか?一緒に来い。」
それは自己中心的な考えでしかない。それに彼女は忘れてしまったか…。
人を信じることも…。愛することも…。
「ああ。俺はお前についていくことにしよう。」
俺は彼女へと歩み寄って行った。
「レリク!」
これで終わりじゃない。
「そうだ。レリク。俺と来い。」
彼女は俺の胸を剣で突いた。
彼女の動きが止まった。
「未だ。」
俺は眼に力を込めた。
「これは?」
彼女には知らせてなんかはいないだろう。
「レリク!」
アクアの眼が光った。