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デビル・ジュエリー  作者: かかと
赤眼のレリク篇
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赤眼のレリク 第96話

~アクア視点~

「まあ、あなたの言っていることが真実だとしましょう。もし、そうだとしたら、私たちは相当危ない位置にいるってことになるよね。」

「もちろん、そうだ。」


正直、真実とは言いがたい話ではあるけど、つじつまはあっている。


「ほかには誰もここには来ていない。君が始めての客といってもいいだろうな…。」


それは少しおかしい。


「あなた、それはおかしいでしょ?久しぶりの客と言ったじゃない?」


彼は私のほうをチラッと見た。彼はどうやら外が気になるらしい…。誰かを待っているのか?それとも、何かここで起こるのか…?


「よく覚えていたね。いや、よく聞いていたといったほうが正確だね。まあ、そこまで深く考える必要はないけど、客は確かに来たことはある。しかし、その客はここには来ていない。」

「?どういうこと?」


彼の言っている意味がますますわからない。


「どうしてだい?君なら大体の予測はつくはずだが?」


私は考えてみた。レリク…。黒い物体…。なぞの草原や広場。そして、動物たち。


「もしかして、ここから黒い物体のように消えたの?」


彼は満足そうに頷いた。


「そうだ。今までに来たものは全員、ここにつくまでに消えてしまった。一応は守ろうとしたけどね…。それでも、私には役目があるからね。それが終わるまでは無理はできない。」

「そういって、助けなかっただけでしょ?自分が犠牲になりたくないから。」


…。


少し沈黙が続いた。


「そうだね。そういう解釈の仕方もあるかもしれない。私は君が言っているように他の人を見殺しにした。」

「いや、そこまでは…。」


言っていない。少なくとも彼は助けようとしていたといっていた。


「そう考えたほうがいい。私はそういう人間だから…。でもね、私は来るべきときのためにあるものを待つことにしている。」


待つべきもの?時?


「よくわからないけど、その人が来て時が来たら、あなたはどうなるの?」

「そんなことを聞くつもりかい?もうわかっているだろう?」


そうか、彼はそのときをここでじっと待っていたのか?


「さて、この家もそろそろ持ちそうにないようだ…。」


そういって彼は窓の外を見た。


草原が白から黒へと変わっていっている…。

これはいったい?


「君に教えるのは一息ついてからにしよう。白虎、玄武、おいで。」


違う部屋から亀が出てきた。

少し変わった亀のような気がする。というよりも亀を見たことがないからわからないけど…。


「君もおいで、アクア。」


どうして私の名前を?


「驚くのも無理はない。しかし、どうやらそのときが迫ってきているらしい。君には感じないだろうけどね…。」


私には感じない?では、私はここでまだまだ生き続けるということ?


「君の考えはよくわかる。しかし、今は逃げるのが先だ。ここがもうばれてしまったらしい。ここはいい場所だと思ったけどね…。まあ、彼なら私の場所ぐらいすぐに見つけることができるだろう…。フェニックス…。すまないが、時間を稼いで稼いでくれ…。」


キュイ


そういうと鳥は窓を勝手に開けて、飛び立っていった。

でも、あんなに小さな鳥で時間稼ぎができるとは思えない。


「待って。私も行く。」


私は彼の隣にある剣をとった。


「待ちなさい。君は行ってはいけない。」


私は彼の制止を無視してドアから飛び出した。




「何これ?」



今まできれいにそして、白かった草原地帯はどこにもなかった。黒い物体に覆われ、砂漠化している。


ギオオオオオオオオオ


キュイイイイイイイイ



二つの鳥が戦っている。しかし、あのフェニックスのほうが明らかに体格が小さい。こんな大きな鳥に勝つことはできない。


「やめなさい。あの戦いに行ってはいけない。」


今にもフェニックスが食べられそうだ。


「でも、」

「君が入ったところで形勢が変わるとはとても思えない。あの鳥はそれに簡単には負けやしない。」


そういっている間にフェニックスは大きな鳥の口の中に消えていった。


「ああ…。」


私は涙を流していた。どうして、涙が出るだろう…。


「大丈夫だ、落ち着きなさい。あの鳥は…。」


キュウウウウイイイイイ


その鳥は、あの大きな鳥の中から出てきた。さらに体が大きくなって…。


「すごい。」


私はフェニックスの美しさに見とれていた。


「すまないが、もう移動しなくてはいけない。」


私の周りも徐々に黒くなっていく…。


「早く乗りなさい。」


彼は亀に乗っていた。あれ、こんなに大きな亀だった?

そして、私の前には大きな犬が立っていた。

白く、そして気高く、誰にも屈さないような綺麗な瞳をしている。


「質問は後だ。白虎に乗りなさい。」


どうやら、この動物は白虎というらしい。


「ごめんね。よろしく。」


私はジャンプして彼の背中に飛び乗った。

毛がふわふわとして、乗り心地がいい。


「行くぞ。」


そして、私たちはそこを後にした。

後ろを振り返ると家はすでに黒くなっていた。




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