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デビル・ジュエリー  作者: かかと
赤眼のレリク篇
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赤眼のレリク 第91話

~レリク視点~

「これは?」


俺が彼女の元へとついたとき、一面、氷と化していた。

彼女はどう診ても凍っていない。彼女がやったと考えるのが普通だし、理屈が合う。


「こいつが出てきたのが原因らしいな。」


俺はそういって、彼女の前で凍っている蛇を見た。こいつの系統は確か水のはずだった。それにここにいるモンスターは倒したはずだったが…。そういえば、何年もたっている。新たにモンスターが住み着いていてもおかしくはないだろう。そう思いながら、俺は一応、彼女の首元に手を当てた。


ドクッドクッ


どうやら気絶しているだけらしい。俺は一息ついたが、新たな問題が発覚したこともわかった。


「普通は自分でコントロールできるはずだが、この子はそれができないらしい。」


術エネルギーを使う場合は自分の頭でイメージを膨らませることが大切だ。それをする必要もないが、そのほうが明らかに簡単で楽に術を放つことができる。だから、幼少期に術を使えるものはほとんどいない。脳が発達していないためにうまくイメージ化できないのだ。一時期、10歳前後の子供が術を暴発するという事件があったために、今では国ごとに学校が設立され、術の教育をするようになった。今から180年も前のことになる。しかし、今でも家庭の事情によっては学校に行けないような子供もいるのも確かだ。彼女がもし、そういったケースに当てはまるならば、俺が術の使い方を教えなくてはならない。このままでは180年前の事故よりももっと悲惨なことになりかねない。


「これは…本当に厄介なことになったな…。」


彼女に俺の上着を着せてやった。この上着なら少々の熱にも耐えられるだろう。


「炎輪」


俺は洞窟に向けて、術を放った。少しの間に氷は水へと変わっていった。

しかし、氷が解けても蛇が起き上がることはなかった。

もうすでに絶命している。


「今年で俺の人生も終わると思っていたが、厄介なことばかり起こる…。」


俺は彼女の手を見つめた。今まで気がつかなかったが、豆がたくさんできていた。これは、包丁や農具のものではないだろう。

俺は複雑な気分で彼女を見ていた。

俺は彼女のリュックから水筒を取り出し、水を汲み、彼女を抱きかかえて、その場を後にした。


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