表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

公爵令嬢から平民になりましたが幸せです

作者: こうじ
掲載日:2025/09/08

 クルシック王国を激震させた大醜聞が起こったのは数年前である。


 きっかけは王妃のちょっとした違和感だった。


 王女を見ていた王妃は急に『あれ? この子私の子かしら?』と思った。


 何故、そう思ったのかはわからない、母親の直感というものだろう。


 王妃は密かに王女の髪の毛を採取し魔力鑑定に出した。


 その結果、血縁関係が無い事が発覚した。


 王妃はすぐに産んだ病院に問い合わせをした。


 そこで恐るべき事実が発覚した。


 書類の管理が杜撰で何人かの赤ん坊が入れ替えられた可能性があるのだ。


 王女と同じ年齢の子供達はすぐに魔力鑑定を行われいくつかの家で『血縁関係無し』との結果が出た。


 この事実は貴族社会に衝撃と混乱を与えた。


 そして、トリアルト公爵家にもその影響があった。


「え……、私はお父様とお母様と血が繋がっていない……?」


 トリアルト公爵家の一人娘であるレジーナ・トリアルトは両親からの発言に驚きを隠せなかった。


「そうなんだ……、誠に残念な事なんだが……」


「いきなりそんな事言われても、と思うけど事実なのよ……」


 公爵夫妻も戸惑いを隠せない。


 愛情を持って育ててきた娘が実は赤の他人だったのだから。


「それでは……、本来のお父様達の娘は?」


「今、国が捜索していて魔力をたどれば見つかる、という事だ」


「貴女の実の両親も今捜索しているわ、分かり次第引き合わせる事になっているわ」


「そうですか……」


「レジーナ、多分考えがまとまらないのだろ? 私達も同じだ……」


「まずは国からの連絡を待ちましょう、それまでは貴女は私達の娘よ」


 そんな話をした1か月後にトリアルト公爵の実の娘の居場所とレジーナの両親の行方がわかった。


 トリアルト公爵の実の娘、エミーラは孤児院で暮らしていた。


 エミーラは母と2人で暮らしていたが母親は病死してしまい孤独の身となり孤児院に保護された。


 その母親がどうやらレジーナの実の母親らしい、という報告書を見たレジーナは既に母親が亡くなっていた事に更にショックを受けた。


 という事は自分はこれから1人で生きていかなくてはいけない事になる。


 勿論、公爵令嬢として家庭教師をつけられ知識やマナーを学習している。


 しかし平民生活で活かす事が出来るのか、不安である。


 レジーナとトリアルト公爵夫妻はエミーラに実際に会いに行った。


 勿論エミーラもいきなりの事で困惑していた。


 自分がまさか公爵令嬢で取り違えられていた、なんて夢にも思わなかった。


「エミーラさん、本来いるはずだった貴女の居場所を結果的に奪った様な事になってすいません」


「あ、いえ、あの……、レジーナ様は悪くありませんから」


「私は公爵家とは関係の無い人間です、邪魔になるので出て行きます」


 エミーラも見つかり自分はもう公爵家にいる理由は無い。


 レジーナはすぐにでも出て行こうと思っていたが止めたのは公爵夫妻とエミーラだった。


「待ってくれ! 実の娘では無いが愛情を持っていたのは確かだ! せめて成人になるまでは養わせてくれっ!」


「このまま貴女を追い出すのは人としての常識に反するわ、平民として不自由なく暮らしていけるぐらいはサポートさせてちょうだい」


「あ、あの私、貴族のルールとかわからないので……出来れば教えてほしいです……」


「……ありがとうございます」


 レジーナは成人として扱われる15歳まで公爵家で暮らす事になった。


 そして、レジーナは15歳になった。


「公爵様、奥様、今までありがとうございました」


 レジーナは約束通り公爵家を出て行く事にした。


「レジーナ、血は繋がってはいないが私達は娘だと思っている」


「困った事があったらいつでも顔を見せなさい」


 そう言って公爵夫妻はレジーナを抱きしめた。


「お姉様のおかげで私も貴族社会で生きていく自信がつきました、ありがとうございます」


「エミーラ様、すっかり貴族のマナーが身につきましたね」


 エミーラは公爵家に引き取られてからレジーナが手取り足取りマナーを教えた。


 おかげでエミーラは公爵令嬢としてどこに出しても恥じない姿になった。


「それでは行ってまいります」


 レジーナは公爵夫妻やエミーラの見送りを受け公爵家を出て行った。


 そして公爵の紹介でとある商店で住み込みで働く事になった。


 レジーナは事務員として商品の管理、棚卸しやまた新たな商品の取引等忙しく働いた。


 そして、3年後には独立し自分の店を開店させた。


 その開店初日にはエミーラもお祝いに駆けつけた。


 手紙でやり取りをしていたが実際に会うのは公爵家で別れて以来である。


「お姉様、こちらお父様達からのお祝いの花です」


「ありがとう、嬉しいわ。 こんなに早く自分の店を持てるなんて思わなかったけど」


「お姉様は頭が良いんですから当然の結果です。 周りの令嬢達にお姉様の爪の垢を飲ませたいぐらいです」


「何かあったの?」


「ほら、私達以外に取り違えられた家ってあるじゃないですか。 どうも教育が遅れてしまったみたいで荒れているんです」


 そういえば、王女様だった少女は実は男爵家の血を継いでいて城をいきなり追い出されたそうで王家に対して恨みを持っていて自分の存在を知らない王族を誘惑して騒動になった、と耳に入った事がある。


「結局、生まれとか関係なくて人間性が大事よね……」


 いろんな事があったけどレジーナは幸せを感じている。


  


  


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ