【第1話】家族①
この物語はフィクションであり、登場する団体・地名・人名などは存在するか分かりません。
「おかーさん、今日お茶会するの?」
「うん、そうだよ。約3ヶ月振りになるね。どうして分かったの?」
「だって、昨日おかし焼いてたから。ねぇ、ぼくも連れてって」
「う〜ん、そんなに構ってあげれないかもしれないけど…話の後なら大丈夫だと思うよ」
「やった〜!」
「こらこら、あんまり勇者様を困らせちゃダメよ〜」
「あっ!おとーさん。でもでも、おかーさんの作るおかしは美味しいし、あのおじちゃんのお話は面白いから!ねぇ、ダメ?」
「俺は良いけど…。聖女様はどう思いますか?」
「まぁ、今日は用事も無いですし、良いと思いますよ。でも■■■さん、あまり迷惑を掛けちゃダメですよ。」
「うんわかってるよ、おとーさん。」
「まぁ、あいつも子ども好きだから、喜ぶと思うよ聖女様。」
「むむむ、確かにそうかもしれませんね。それはそれとしまして、どうして先程から私の事を『聖女様』と呼ぶのですか?勇者様。私のことはレイリスと呼んでください。なんだかソワソワしてしまいます。」
「それは…悪かった。レイリスさん、ただ貴方が私のことを『勇者様』と呼んだので真似をしただけですよ。」
「それはごめんなさい。でも、ソラ様とお呼びするのはまだ慣れておりませんので…」
「敬称が取れるのはいつになるのだろう…」
「勿論善処致します。」
「け、ケンカしちゃダメだよ!」
「これは喧嘩じゃないですよ」
「そう!これは、その…ただの会議だよ」
「何だか少し違う気がするのですが…。それより時間は大丈夫なのですか?」
「あぁ、まだ大丈夫だよ。準備は今さっき終わったし、行くまで時間がある。今から行けば十分間に合うけど。」「そういえば、おかーさん前に『学校では5分前行動をしなさいって言われてるけど、5分前の5分前行動をしないと怒られる』って言って無かった?」
「…そうだな。■■■の言う通りかもしれないね。じゃあ、今から行こうか?今から行けば、長めに向こうに居れるし」
「うん!おかーさん!」
「少し落ち着こうか?流石に少し不安になるから」
「気をつけてくださいね。■■■さん、危ない事をしちゃいけませんよ」
「うん、おとーさん約束する。」
「今日は、何か貴方にとって大事なことが起こるかもしれませんね。ですが、私は貴方の意志を尊重致します」
「?分かったよおとーさん」
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「今日は、■■■も来たのか」
「うん、おじちゃん久しぶり。今日はどんなお話をするの?おかーさんのえいゆうたん?それとも、昔の物語?」
「俺の話を俺の前でされるのはいたたまれないな…」
「実は、前から気になってたのだが、ソラはまだ■■■に魔法を教えていないのか?この子ぐらいの年でまだ魔法を教わってないのは珍しいぞ」
「えっ、そうなのか?!そういうの教えて貰えなかったから、まだ先でも良いかなと思ってたんだけど…。今更だが、お前人間社会に大分馴染んでるよな?」
「…まぁ、それはさておき、少なくともこの子には何か教えておいて損はないと思う」
「まほう!ねぇねぇ、僕もおかーさんみたいに強くなって、おとーさんみたいに人を護れるようになれるの?!」
「■■■の努力次第だな。ソラが教えるか?」
「出来ればそうしてあげたいけど、感覚で使ってるから教えるのが難しいんだよね…」
「それなら我が教えるとするか。この子は、適性があるからすぐに覚えられるはずだ」
「やった〜!」
「まずは場所を移そう」
「ここが良いな。魔法を教えると言ったが、魔力やMP、SPについても教えた方がいいのか?」
「今は魔力と魔法だけの方が良いと思うよ。魔法の汎用性は高いからね。魔術やスキルは魔法で代用することも出来なくはないからね」
「よし。それでは魔法を教えよう。まずは、体の魔力の流れを意識することから始めるものだが、■■■は大丈夫だから省くぞ。ソラが促したのか?」
「ううん、俺は何もしてないよ。会った時からこんな感じだったけど」
(もしかして、あのおj…お兄さんかな。今度会ったら聞いてみようかな)
「じゃあ、無詠唱魔法の練習するか。お主なら詠唱魔法はすぐに出来るだろうからな。最初のステップとして詠唱魔法の感覚を掴むこと。次に、魔法のイメージを固めること。最後に、そのイメージを持って体内の魔力を出すことだな。まずは詠唱魔法について教えよう。詠唱魔法は詠唱することで使える魔法つまり、詠唱する必要がある魔法だ。…すまんおかしなことを言ってしまった。現状、詠唱魔法の詠唱は無駄なものだと認識されている。詠唱して敵を欺く人間なんて基本的に見たことがないからな。それに、魔物や我は生まれた時から無詠唱で魔法が使えるから詠唱を覚える必要がなくてだな…詰んじゃったよぉぉぉ!ソラ助けて!」
「俺は、独学で魔法を使えるようになったから参考にならないよ。それにさっきも言った通り感覚で使ってるから教えるのは苦手なんだよ…」
「詠唱の部分だけでも良いから教えてくれよ」
「…詠唱魔法は定型文を唱えるのが通常らしいけど、それを知らないからなぁ。ただ、違う言葉でも良いらしい。確か、使う魔法の属性?を言えば良いみたいだったけど…例えば、『風よ』みたいな感じだったと思う。知らんけど」
「…じゃあ、■■■やってみようか?」
(やばい!2人の姿に見とれてて聞いてなかった。確かイメージで魔法を使うんだよね?心を落ち着かせて…)
時が流れ行く如くゆったりと吹く風の中に異なる風が生まれる。しかし、その子どもが認識した束の間に、それは姿を消した。そこには、羽根が残りその子の手のひらに落ちてきた。
「今のは、無詠唱魔法か!いきなりできるなんて、すごいな。話を聞いていなかったのはともかく。」
「わ、分かんないけど、なんか気づいたら居た」
「魔力の感じからして■■■の魔法で間違い無さそうだ」
「ぼくのまほう!」
(イメージしたのとは違ったけど)
「無意識で魔法で姿形を形成出来るとは…。とりあえず生活魔法と全属性の基礎を教えてみるか。適性を調べておいておけば今後の方針がたつからな」
「うん!がんばる!」
「まさか、全て使えるとはな。それに生活魔法だけでも、魔物と戦えそうなのがな… 」
「■■■は、もしかして転生者だったり、転移者だったりするのか?」
「その可能性が無いわけでは無いが、それならそれまでの記憶があるはずだが…」
「アニメとかでは、ある年齢になったら記憶を取り戻したり、生まれた時から記憶を持ってるけどそのことを隠してたりとかっていうのが定番だった気がするけど…」
「この世界は不思議なことが多いとソラは感じないのか?転生者や転移者やソラは記憶を持ったままこの世界に来てる。転生者は赤子の頃から記憶を持ってるらしい。恐らく、そこら辺は神様に聞けば分かるんじゃないか?あの3人の神様はしっかりと答えてくれそうだしな。あの緑髪の神だけはやめとけよ。あんなのが神様だとか有り得ねぇだろ」
「言葉遣いには気をつけた方が良いと思うよ。一応君も王族なんだから」
「王族なんて身分は昔から有って無い様なものだったしな。それに、王族だ何だっていうのは人間の世界の話だろ。それに、我が街に行ったとしても一般人として扱われるからな。国王様と対等だなんて恐れ多いことですよ」
「そんな風に言わなくてもいいだろ。大事にしまってるのにさ…」
「とにかく、■■■は転生者でも転移者でもないのは分かる事だ。もしそうなら、我らに黙っておく必要が無いからな」
「魔法を見るに日本人だと思ったんだけどなぁ」
「そろそろ日が落ちるし、家に帰った方がいいんじゃないか?聖女様も心配するだろ?」
「もうそんな時間か、ここの時間の流れは早いね」
「まだ慣れないのか?」
「まぁ、慣れてきたとは思っていたんだけどなぁ。■■■〜帰ろっか」
「うん、おかーさん」
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「そういえば、何か話すことがあるって言ってなかった?」
「あぁ、それは大丈夫だよ。もう終わったから」
夕暮れ時となった。家に帰り着いた。
「おかーさん、何で靴を脱ごうとしてるの?」
「!ありがとう、つい癖で」
家に入ったら、生活魔法で身体をきれいにする。今日覚えた魔法だからか■■■が使おうとしたが、やはり空の方が速かった。■■■は少し頬を膨らませたが、顔を緩ませた。
「2人ともおかえりなさい」
「ただいま。/ただいま!」
「ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し?」
「…」
(何を言ってるんだろうこのおj…お兄さんは)
「ヴィーチェ様何を仰っているのでしょうか?この世界では基本的にお風呂に入る習慣はないかと思います。『わ・た・し』を選んだ場合はどうなるのでしょうか?」
「そ、それはぁ、そのぉ…」
「貴方は知らなくていいことですよ。レイリスさん。」
「その様子だとソラ様は知っているのですね。気になります」
「貴方にはまだ早すぎます」
「むぅ」
(そういえば日本にはこういうネタがあるんだったけ)
「なんで、お兄さんがいるの?」
「さぁ、何ででしょう?」
「用がないならお帰り下さい」
「え?辛ぴ」
(ごめんなさい生理的に無理です)
(君やっぱり口数多いって言われない?)
(言われません。後聞かないでください)
「ソラ様そんな風に言わないで下さい。この方は一応…」
「レイリスさん、一応は余計だと思うよ。それに、今は一般人だしね」
「結局何しに来たの?」
「■■■に会いに来たんだよ」
「そんな事言って、レイリスさんのご飯が食べたかったとかじゃないの?」
「あっ、ばれた?」
「雑談はそれぐらいにしませんか?ご飯が冷めてしまいます。食べながら話しましょう」




