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06 読み聞かせ


 ニケルちゃんから渡された本のタイトルは、


『特攻勇者ノノカ 第一巻 ノノカと不思議な暴れ旅』



 わくわく顔のみんなに聞くと、


 最近ちまたで大人気、まさにいま子どもたちの間で人気爆発中の、正義のヒロイン大活躍の物語り。


 なぜかお名前に聞き覚えちっくな既視感があるのですが……




 訳あってこの世界に召喚された普通の女の子ヒナマキ ノノカさん、


 普段は目立たぬように普通の冒険者として幌馬車での旅暮らし。


 ところがいざ事件となると大変身、


 特攻勇者ノノカとして、


 乙女の敵たちをバッタバッタとなぎ倒します。


 もちろん不殺で。



 えーと、激しい既視感とアレな違和感は増すばかりなのですが、


 ご清聴いただいている女の子たちからは大好評のようなので、


 このまま続けましょうか。


 

 とある王国の王城で、可憐な乙女メイドさんが大ピンチ。


 颯爽と現れて、ズバッと解決しちゃうノノカさん。


 乙女の敵を成敗するヒロインとしてのカッコよさだけじゃなくて、普段の生活ではなぜかいろいろやらかしちゃう姿が、とても可愛らしいのです。



 城下町でノラにゃんこを追っかけて、お城のお堀に落っこちちゃうところとか、


 ノラにゃんこたちの夜の集会に潜入するため貴族屋敷の裏庭に侵入しようとして、街の衛兵さんたちから追いかけられちゃうところとか、


 コメディーちっくなのに妙なリアリティーがあって、とっても楽しくてワクワクさせられる冒険話満載。



 うん、これは確かに面白いですね。


 子供だけじゃなく、大人も楽しめる第一級エンターテイメント作品ですよ。


 脳裏に浮かぶノノカさんのお姿が、あの人のまんまで再生出来ちゃうのも、ポイント高いですね。




 そして、最後まで楽しく読み聞かせ出来ました。


 著者は『しらたき』先生、ですか。


 うん、覚えておきましょう。



 それにしても、いやホント楽しかったです。


 途中で何度も、ノノカさんのお名前を言い間違えそうになりながらでしたが。



「すっごく面白かったねっ」


 マクラちゃん、ご機嫌ですね。


 えーと、お母さんによろしくね。



「アランおじさん、ご本読むの、すっごく上手だったよっ」


 ハルシャちゃん、ありがとう。


 途中からノリノリしすぎてワルノリしすぎた感がなきにしもあらず。



「アランおじさま、また今度読み聞かせしてねっ」


 ニケルちゃん、もちろんだよ。


 ていうか、絶対帰りに本屋さんに寄ってこの本を買わなきゃ。


 うちのみんなの分だから八冊、だな。


 あと、布教用に何冊か。



「……ありがと」


 マリモちゃん、喜んでもらえて良かったよ。


 今度はマリモちゃんが好きなご本を熱演しちゃうからね。



 そしてようやく、朝イチの緊急依頼で出動した皆さんが戻ってこられたご様子。



「お疲れさまでした、アランさん」


 お疲れさまです、モノカさん。


 緊急の依頼の方、大丈夫でしたか。



「おかげさまで今回も、乙女の敵を一網打尽出来ました」


 さすがは特攻勇者!



「えーと、特使勇者ですよ、私」


 まあ詳しい話しは、後でマクラちゃんから聞いてくださいね。


 それじゃ、俺はこの辺で。




 勇んで本屋さんに向かった俺。


 しかしさすがは超人気作、


 帰りに寄った本屋さんどころか、城下町の本屋さん全てで、売り切れ御礼だったのです。



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