16 団欒
ようやく我が家でのんびり出来ております。
まったりお風呂から上がったら、美味そうな夕食がばっちりスタンバイ。
さすが、我が家のお料理班は優秀だよな。
あんなにアレな出来事の直後なのに、がっつり食欲を刺激してくれるお料理がズラッと並んでおりますよ。
でもな、ニエル、
確かにパスタが得意なのは分かるが、
このタイミングで真っ黒イカスミパスタはどうかと思うぞ。
いや、めっちゃ美味いけどさ。
ってな感じで、遅めの夕食を済ませて。
食後のお茶で、ようやく一息。
アリシエラさん、スーツを回収してすぐに帰っちゃったけど、夕食、食べてってほしかったな。
『今回のデータを活かして、もっとイケてるスーツを開発しちゃいますねっ』
ホント、根っからの魔導具職人だよ。
ていうか、ヘルムのネコミミ、すげぇ気になるんだけど。
後で『Gふなずし』で聞こうかなって、やっぱり名前を変えてもらうのが先だよな。
今回の依頼、最初はどうなることかと思ったけど、
終わり良ければ全て良し、かな。
リリシアもあんなに頑張ってくれたし、
特異種ってことで、報酬も期待出来そうだし。
それになんと言っても、今のみんなの笑顔が一番の報酬ってことで。
あー、みんなじゃ無かった、
マユリもハルミスタも、もちろんシナギさんたちも、早く帰ってきてほしいよ。
「すまなかったな、アラン」
「今回の私は、甘え過ぎだった」
そんなことないってリリシア。
俺としては、リリシアの気持ちがスッキリしてくれたのが一番なんだから。
もちろん『モンスター』的にも、あのスーツ姿を間近で見れただけでも大満足だよ。
「そんなに素敵だったのですか」
ホント凄かったよ、ユイ。
腹筋が割れてるのが分かっちゃうくらいに薄くてぴっちりなスーツなんだぜ。
「……」
えーと、プリナさんのまなざしがアレですね。
おかしいな、さっきは確かに心が通じ合ってたんだけどな。
「足りないようでしたら、お団子、おかわりなさいますか」
すみません、メリルさん。
さすがに秘伝のお団子は勘弁してください。
「ご主人さまは、もう少しお腹周りを気にした方が良いですよぅ」
うん、最近ホントそう思うよ。
でもさ、うちのご飯が美味すぎるのも問題なんだぜ。
って、なんでそれを知ってるんだよっ、ニエルッ。
こんな感じで、今回も一件落着。
ホント、俺にはもったいないくらい、最高の家族だよ。




