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14 作戦開始


 第一段階は、周辺の安全確保。


 メリルさんの必殺毒団子を、家の周囲を囲むように、崩しながらばら撒く。


 万が一、家から逃げられても、積み重ねられてきた秘伝の力を信じて。




 第二段階は、索敵。


 邸内突入後、


 ヘルムの魔素節約のため、ギリギリまで使わなかった探索装置をオン。



「「うっ」」



 ふたりとも、思わずうめいてしまった。


 目の前には、暗視装置で確認可能となった周囲の状況と、


 鮮明に見える、大量にうごめくアレ。


 アレの一匹一匹に赤い光点でマーキングされているが、


 あまりの数に気が変になりそうだ。



「早くこれを使って一網打尽に」


 気を取り直したリリシア、攻撃準備。


 取り出したのは、筒状の攻撃用魔導具。



『バリサン』


 万能型理不尽生物殲滅ガス散布魔導具の略称。


 各種害虫を範囲制圧する目的で開発された、要するに毒ガス散布器ですね。


 その凶悪さに反して使い方はいたって簡単。


 筒状の胴体の周囲にズラリと描かれたアイコンちっく害虫絵図。


 殲滅したいヤツを選んで、くるくる回る底面の一部に刻まれた赤い印を合わせる。


 あとは側面から伸びるヒモを引くだけ。


 筒状本体内部で対象の生物用に選択調整された魔導薬液が混合、


 瞬時に大量のガスを発生、拡散したガスは対象の生物を瞬殺する。


 魔導薬液技術は未だ検証中であり、副作用を防ぐために機密性の高い耐"G"スーツセットとの併用が不可欠。


 なんと言いますか、アリシエラさんだけは敵にまわしてはいけない。




 第三段階、攻撃。


 屋敷の、出来るだけ中心となる場所に移動してから、


『バリサン』を使用。



 すぐに、辺り一面に真っ白なガスが噴出。


 このガスはただの気体じゃなくて、魔導ガスとでも呼ぶべきシロモノ。


『バリサン』本体を中心として、あらかじめ設定された効果範囲内に出来るだけ完全かつ速やかに充満するよう、


 物理法則とか流体力学とかそういうのは全無視して広まっていく。


 つまり、あっという間に目の前真っ白。



 ヘルムの暗視装置の色彩・明度が自動調節されて、それなりに見やすい状態へ。


 壁に張り付いていた奴らが、ぽろぽろ落ちていくのを確認。


 効果は絶大、さすがアリシエラさん。


 ニエルがすでにこの家の形状・大きさなどの情報をアリシエラさんに連絡しており、必要な散布時間は把握済み。


 今回は3分ほどで家全体に行き渡るらしい。


 ただし、すみずみまで行き渡るとは限らない。



 俺とリリシアは、今のうちにキングとクイーンの居場所を確認しなくちゃな。


 作戦手順通りに手分けして家の中を探索、


 のはずだったのだが、なんだよ、コレ。



 探索画面に表示されているのは、奴らの異常な行動。


 全ての赤い光点が移動して、一ヶ所に集結し始めた。



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