13 突入準備
現場に到着すると、問題の家の周辺封鎖はすでに完了とのこと。
手空きの冒険者たちが家の周囲で見張りと待ち伏せをしてくれて、逃げ出してきた奴らは逃さないと。
持ってきた『空間』テント内で着替えなどの準備開始。
今日の装備はアリシエラさん特製の、まさに出来立てほやほや。
「耐"G"スーツ、ヨシッ」
スマキ2号の幌にも使われている絶金複合素材製の全身スーツ。
間に合ったのは俺とリリシアの分の2着のみ。
物理・魔法問わずの高い総合防御力と動きを妨げない柔軟性、
蒸れを防止するための魔導空調システム、
そして『Gふなずし』の本体をコーティングしている魔導塗料を全体に塗布しているせいなのか、
漆黒なのにツヤッツヤ。
大変頼りになるスーツなのですが、問題がただひとつ。
薄手のスーツがぴったりフィットしすぎて、装着者の身体のラインが丸見えに。
俺はどうでもいいけど、リリシアが……
「早く終わらせようか」
微塵の照れも見せぬリリシア、覚悟完了状態。
「耐"G"ヘルム、ヨシッ」
フルフェイスヘルメット的な試作型頭部保護用魔導具、
暗部での視界補助、
"G"探索に特化した魔導探索機能、
ヘルム同士の会話機能、
スーツと組み合わせることでの抜群の機密性、
半日ほどの空気供給能力、
高い物理防御力と優れた魔法防御力、
なぜかネコミミ状の突起が付いているが、詳細は不明。
そしてこれまた、漆黒なのにツヤッツヤ。
もちろん、攻撃用魔導具も、多数。
魔導水鉄砲『マスミ』が凶悪に改造された新型『マスミ改』
充填されている薬液は、対"G"用の特殊脱脂液。
決して素手では触れないでくださいって、怖いよアリシエラさんっ。
そのほか、口に出すのもはばかられる危ない兵器が盛りだくさん。
それら全てが、対"G"用新型兵装にしてアリシエラさんご自慢の秘密兵器。
そして、どれも効果は、ぶっつけ本番。
何にせよ、ここまできたらやるしかないのですよ。
それでは、お互いの装備の最終確認をして、いざ、作戦開始!




