01『モンスター』
『リヴァイス 36 若旦那と旅家族の奇縁』の続きで、
『特使公爵』アランのお話しです。
お楽しみいただければ幸いです。
どうも、アランです。
この異世界に召喚されてからの俺の座右の銘は、
『異世界とっても良いところ』
実際、ホントに良いところなんだけど、
俺の身の回りに起こる出来事がいい事尽くしなのが、ちょっと心配。
家族にも仲間にも恵まれすぎちゃってるし、
そろそろ、天罰、当たらないよな、ホント。
罰といえば、不本意ながら『誠実な無自覚プレイボーイモンスター』なんて呼ばれて、
女性の敵ちっくな扱いを受けている俺だけど、
そもそも俺の周りに魅力的な女性が現れすぎなのが問題なんだと思いますよ、異世界の神さま。
例えはアレだが、食いつくエサさえ無ければ、そこに住んでいる『モンスター』だって釣れないだろ。
エサが無いと空腹で暴れちゃうかもしれないけどさ。
もちろん俺はそんなことで暴れたりしないよ。
だって、怖い妻が四人もいるんだぜ。
そんでもって仲良しの妻たちは、一致団結したら怖さ四倍どころじゃないんだ。
ホント、怖いんだから。
それでも異世界の神さまは、俺に試練を与えるのが大好きっぽいんだよな。
最近知り合えた魅力的な乙女たち。
まず、一人目、プリナさん。
妻のユイの親友プリナさんは、ユイの故国アルセリアで起きたトラブルのせいで我が家で暮らすこととなった、まだ10代初めの物静かで儚げな女の子。
さすがに俺だって、我が家を頼って来てくれたこんなに若すぎる娘さんをどうこうしちゃうような無節操野郎ではない、つもり。
なんだけど、同じ屋敷に同居してると、いろいろなハプニングが起きちゃったりするのも、また事実。
そしてハプニングのたびに、おとなしやかなプリナさんから潤んだ眼差しでにらまれちゃったりするのですよ。
『モンスター』なりの矜持を持っている俺ではありますが、もちろん男としてもいろいろ持っちゃっているのです。
そんなわけで、何気ない日常生活だって結構な試練。
二人目は、フィナさん。
尊敬する先輩冒険者ロイさんのお宅で暮らすことになったフィナさんは、小さな妖精さん。
初めてお会いした時は、驚きのあまりにまじまじと見すぎちゃって、妻たちからお仕置きされる羽目になったほど。
いやホント言うと、驚いたのは小さな妖精さんだったからだけど、まじまじ見ちゃったのはあまりにも素敵な娘さんだったから。
この異世界に来てからテレビやPCとは無縁の生活になったからか、視力がとても良くなった、気がする。
つまり、ちっちゃなフィナさんもばっちり丸見えという、異世界対応健康優良男性へと進化しつつある、俺。
別にフィナさんとどうこうなりたいっていうんじゃないけど、それでも男としてはいろいろ考えちゃったりするのです。
そんなわけで、日常的に目の前を素敵な娘さんがぷかぷか浮いちゃってるのって、相当な試練。
もちろん他にもたくさんの素敵な乙女たちが、日々、俺の『モンスター』を刺激してくる。
でも、こんな俺にだって矜持はあるし。
例えば『人妻とどうこうなっちゃいかん』とか『人妻候補とどうこうなっちゃいかん』とか。
だから、カミス君の奥さん候補のシェルカさんとか、シナギさんの奥さんのミナモさんとか、アシュトさんの奥さんのマルミさんとかは、
どんなに素敵だなって思っても、チラ見だけで我慢出来ちゃうのさ。
って、こうして考えると、やっぱり相当に気持ち悪い『モンスター』だよな、俺。