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#3 戦場

 僕がカチェリーナと最初に出会ったのは、戦場の只中だった。といっても、宇宙ではない。この星の表面で行われた戦闘の最中で、彼女と出会った。


 1年ほど前、この星は大戦の真っ只中にあった。列強諸国が相争い、国家を総動員し、互いの領土へ攻め入る総力戦の様相を呈していた。

 そんな事情など知らず、僕らは宇宙(そら)からやってきた。3週間前に発見されたばかりのこの星に向けて派遣された先発隊1千隻の中の1隻に、僕はいた。

 大気圏を突入し、2万メートル上空に駆逐艦が到着するとすぐに、植生や気候調査のためのセンサーを、人里離れた森の中に設置する作業に入ることとなった。まず、この星の状態を把握するための調査のため、数人のチームを編成して、地上の森に向かうという。

 もう1ヶ月以上も宇宙船内で過ごし、気が変になりそうだった。それに、森と聞いては黙っていられない。僕の理想の環境が、そこにあるかもしれない。そこで僕は、駆逐艦6636号艦で組織された調査隊に志願し、哨戒機に乗り込む。


 真夜中の森。真っ暗闇で、野獣の襲撃が懸念されるその場所は、しかし僕にとっては久しぶりの地上だ。

 木々から溢れる森林の青い香りは、僕の肺に満たされる船内の淀んだ人工的な空気を押し出して、生気を与えてくれる。暗闇で見えないが、泉のせせらぎの音も聞こえてくる。


 ああ、まさに理想の森だ。哨戒機が着陸したあの草むらで寝そべったら、僕の心はどれほど満たされるだろうか。そんなことを考えながら、僕は黙々と木々の幹に測定機器を設置する。


 一つ、気になることがある。なんというかこの森、少し香ばしい。森林火災でもあったのだろうか?焦げ臭さが、ほんのり漂う。

 だが、僕はそれほど気にしてはいなかった。きっと、長い駆逐艦内の生活で、嗅覚が麻痺したのだろう。このとき僕は、そう考えていた。


 そして、その判断が間違っていたことを、この直後に僕は思い知らされる。


 突然、けたたましい砲声が轟く。艦隊戦でも始まったのかと錯覚するが、ここは宇宙ではない。地上の平和な森なはずだ。だが、木々の切れ目からパッパッと赤い光が瞬くのが見えると、それが錯覚などではないことを思い知らされる。


 あれは、砲撃だ。それも火薬式の大砲を用いた、地上戦だ。


 双眼鏡を使って、木々の合間から赤い光の方角を見る。目に飛び込んだのは、数基の砲台と、地面に深く掘られた溝の中に潜む無数の兵士達。

 塹壕と呼ばれるその溝の中で、小銃を抱え、突撃の合図がかかるのをじっと待っている兵士達の姿。それが、ここからわずか50メートルほど先で広がる現実だ。


 どうして、これほど近くに兵士達がいたことにまったく気づかなかったのだろう?あまりに無神経だった自分に、今さらながら腹が立つ。

 僕のすぐ横に、調査チームのリーダーを務める船務長が現れた。僕と同じく、双眼鏡で塹壕に潜む兵士の様子を見ていた。


「すぐに……すぐに駆逐艦に連絡だ。測定機器設置現場にて、地上戦を確認。停戦行動の要あり、と。」


 船務長の要請で、スマートフォンを使った無線機にて駆逐艦に連絡する技術武官。僕は塹壕の兵士達を、後方からじっと見つめていた。

 と、突然、笛の音が響き渡る。ピーッという甲高い音とともに、小銃を抱えた兵士達が塹壕を飛び出し、砲弾と機銃の弾が飛び交う戦場へと突入していく。

 なんだ、あれ……正気の沙汰じゃないぞ。シャワーのように降り注ぐ十字砲火のど真ん中に、無数の兵士達が飛び出していくのだ。誰がどう見ても、死にに行くようなものだ。当然、わずか10メートルも進まないうちに兵士達がバタバタと倒れる。そのおぞましい様子が、こちらからもはっきりと見える。


 僕は双眼鏡を向こう側に向ける。その200メートルほど先に、相手側の塹壕が見えた。あちらも同様に、兵士達が飛び出し突撃を開始する。塹壕に沿って、所々白く小さな光が瞬き、その光の筋が迫る兵士達を次々と貫いていく。まるでドミノのようにバタバタと倒れる、大勢の兵士達。

 ここはまさに地獄絵図さながらの光景だ。前近代的な戦闘風景、バタバタと倒れる人々。だが一度始まった戦闘は、大勢の兵士達の命をむさぼりながらも、一向に終わる気配がない。


 凄惨な光景が広がる塹壕の向こう側から、僕は目が離せない。ところが僕はそのとき、塹壕の後方に不思議な一団がいるのを見つける。

 大きな鉄の盾を抱えた20人ほどの集団。だが不思議なことに、彼らは小銃を持ってはいないようだ。その大きな盾を斜めに傾け、その十字砲火の只中に向けてそろりそろりと前進を始める。

 盾を持っているのは、兵士と呼ぶにはあまりに貧弱な人々。あの大きな鉄の盾は、弾を防ぐのには役立つだろうが、他に攻撃の(すべ)を持たないこの集団。一体、何のために前進しているのか?

 ただでさえひ弱なこの盾集団の中に、僕は小柄な人物を見つける。


 銀色の長い髪をしたこの人物。女だというのは、すぐに分かった。だが、明らかにこの戦場には不釣り合いな人物。そう、彼女こそがカチェリーナだった。

 その盾の集団は塹壕を超え、砲弾と銃弾が飛び交う戦場へと進入を開始する。そこで彼らは、不可解な行動を取り始める。

 すでに絶命したであろう兵士達のそばに座り、手を当てて何かを唱えている。

 まさかとは思うが、彼らは牧師か何かで、亡くなった兵士達を弔うためにわざわざ戦線に身を投じているのか?だが、そのために自らの命を危険に晒すなど、とても考えられない。彼らの目的は、一体何か?


 が、彼らが手を当てた兵士達には、異変が起こる。なんと死んだはずの兵士達が、次々と立ち上がる。そして小銃を取り、おぼつかない足取りで前進を始めたのだ。

 彼らは死んでいたわけではなかったのか?だが、再び立ち上がったその兵士らは、直立し、ふらふらと前進するばかり。当然、機銃掃射の格好の的になる。

 だが、どういうわけか彼らは弾を受けても倒れない。銃弾がいくら彼らを貫ぬこうと、彼らは前進をやめない。200メートル先の塹壕目掛けて、まるで夢遊病者のように歩み続けている。


 後で知ったのだが、あれはゾンビだ。彼らは一度絶命したが、施術師によりゾンビとなって再び息を吹き返し、敵方の塹壕目掛けて「突撃」していたのだった。そして、あの盾を持った集団こそが「施術隊」と呼ばれる、死人に生き返りの術を施す人々の部隊だったのだ。


 施術師。正確には亡骸施術師と呼ばれている。一度死んだ人の身体に、再び魂を呼び戻し、生き返らせることができる者。

 兵士達には予め、もし戦場で死んで、施術師によってゾンビとなり復活したなら、祖国のため家族のために、敵方の陣営に向かって突入せよと言い聞かされていた。それゆえに生き返った兵士のゾンビは、敵陣目掛けて歩き出す。


 なんともおぞましい光景だが、このゾンビ突撃戦法が、この星の大戦で膠着した塹壕戦の切り札として用いられていた。


 大戦初期から、銃弾を避けつつ敵陣に迫るため、「塹壕」と呼ばれる人の背丈ほどの深さの溝が掘られ始めた。

 敵陣の後ろに回り込もうと、塹壕が掘り進められる。が、それを阻止すべく相手も塹壕を掘る。国境沿いに、塹壕は横へ横へと伸び続け、ついには海岸にまで達する。この塹壕を突破せんと、絶望的な突撃戦法が何度も行われ、そして多くの人命が失われていった。まさに目の前で起きている、この戦いのように。


 そんな中、カチェリーナが属するペレスグラード帝国のある将校が、とんでもない作戦を思いつく。


 それは、亡骸施術師を集中投入し、死んだ兵士達を使って相手方の塹壕を突破するという作戦。どうせ突撃のたびに多数の命が犠牲になるのなら、それを利用しない手はない……


 人命軽視、非人道的……そんな言葉で形容するのも生温いほどのこの悪逆非道な作戦遂行のために、国中から施術師が集められた。そして、突撃により絶命した兵士達の元へ向かい、一人一人をゾンビへと変えていく施術師達。


 ゾンビというものは、生き返ってもせいぜい1週間の命だ。つまり、いずれ再び死ぬ運命にある。

 だが一度死んだ身体は、痛みを感じることはない。いくら身体を銃弾で撃ち抜かれようとも、彼らは歩き続ける。それゆえに、ゾンビとなって蘇った兵士達は、敵陣目掛けて止まることなく歩み続ける無敵の兵士となる。

 もっとも、ゾンビとて完全に無敵ではない。頭部を撃ち抜かれれば、その瞬間、ゾンビは再び死を迎える。だが、手足や胴体の半分が吹き飛ばされた程度では、彼らは前進をやめない。そして敵の塹壕にたどり着き、塹壕に潜む兵士達に容赦なく襲い掛かる……


 実際にその数ヶ月前の戦いで、ペレスグラード軍は10キロに渡り隣国の塹壕を突破し、敵領内への侵入を果たすことができた。


 だが、この勝利が再び、大戦を混迷に導くこととなる。


 当然、この戦術はすぐに他国にも取り入れられる。すると前線ではゾンビの集団を、ゾンビの集団が迎え撃つという構図が生まれる。戦闘開始からしばらくすると、戦場は命知らずのゾンビ同士の戦いがメインとなる。

 それは、本当におぞましい光景だ。直立したまま互いに銃で撃ち合い、手足や胴体の一部が吹き飛びながらも、頭部がやられるまで戦うのをやめないゾンビ兵達。

 銃弾が切れても、銃剣で立ち向かうゾンビ。ゾンビ同士、銃剣で突き合うという凄惨な戦いが、互いの塹壕の中間地点で繰り広げられている。

 その光景を、まさに僕はこの時、目の当たりにしたのだ。


 あの銀髪の彼女も、盾で銃弾を防ぎつつ前進し、倒れた兵士達を次々にゾンビへと変えていく。だがこの時、そんな事情など知らない僕は、その異様な光景をただ呆然と眺めていた。


「ルイス少尉!駆逐艦にはもう連絡した!まもなく、到着するそうだ!もはやここは危険だ、直ちに撤収するぞ!」


 調査隊リーダーでもある船務長が、僕の肩を叩いて撤収を促す。だが僕は、あの銀髪の人物から目が離せなくなっていた。

 と、その時だった。

 大砲の弾が着弾する。その爆風が、あの銀髪の女兵士を盾ごと吹き飛ばす。

 まるで木の葉のように数メートル飛ばされ、地面に叩きつけられる彼女。それを見た僕は、その戦場の最中に飛び出してしまった。


「おい!待て少尉!」


 制止する船務長の手を振り払い、僕は森を飛び出す。塹壕の中にいる兵士達に構わず、僕は壕を飛び越え彼女のもとへと走る。

 銃弾が飛び交う戦場。僕は腰につけたバリアシステムのスイッチを押す。ビシビシと、飛び交う銃弾がバリアによって弾かれる。そして彼女の手前で僕は地面に伏せた。

 そこでバリアシステムのスイッチを切り、身を伏せ匍匐(ほふく)前進で彼女に接近する。

 彼女を見る。どうやら気を失っているようだ。仰向けに倒れたまま動かない。僕は、彼女の頬を軽く叩く。


「おい、しっかりしろ!」


 僕の声に反応して、彼女は目を覚ます。その瞳の色を見て、僕は驚く。この女兵士、左右の瞳の色が違う。赤と青の瞳、いわゆる虹彩異色症(ヘテロクロミア)というやつだ。

 そんな彼女は僕を見るなり、口を開く。


「……申し訳ありません。直ちに任務を、続行します。」


 どうやら僕を上官か何かと勘違いしているようだ。いやそれ以前に、彼女が統一語を話せることが分かった。ありがたいことに言葉が通じる。しかも、こちらに不審感を抱いてはいない。これは好都合だ。


「後退するよ!立てる!?」


 僕の言葉に呼応して、立ち上がろうとする銀髪の兵士。だが彼女の左足は、先ほどの砲弾の破片が当たったのか、血を流していた。

 それでも無理に立ち上がろうとする彼女。だが、そこに機銃の弾が浴びせられる。僕はとっさに彼女を抱き寄せて、バリアシステムを作動させた。

 ビシビシと音を立てて、機銃の弾を跳ね返す。このシステムの有効範囲は、半径75センチ。そこから外にある物体を、容赦なく引き裂く。だから僕は彼女をできるだけ引き寄せた。

 この辺りで、彼女は異変に気づく。機銃の弾をいとも簡単に跳ね返す上に、見たこともない制服を着る僕に、彼女は尋ねる。


「だ、誰だ!?」


 だがこの時の僕は、それに応えている余裕がない。ここは戦場、しかも平地で身を隠すものが全くない場所に、僕ら2人は孤立してしまった。その2人を目がけて機銃による攻撃が続く。

 目をパチパチさせ現状把握に必死なこの銀髪の兵士を抱えたまま、僕は辺りを見回し脱出を試みる。そこに今度は、砲弾が近くに落ちる。


 凄まじい轟音と共に、猛烈な爆風が襲いかかる。だがバリアシステムのおかげで、僕らにその風は届かない。

 だが、あんなものを何度もくらったら、バリアが尽きてしまう。なんとかせねば……僕は、相手側の陣地を見た。


 ここから400メートルほど先に、砲台があるのが見える。あれか……あれが今、僕らを攻撃してきたやつだな。

 僕は腰から拳銃を取り出す。拳銃の出力調整ダイヤルを目一杯捻り、それを砲台に向ける。その様子を、銀髪の彼女は怪訝な顔で見つめる。


 一発だ、この一発で、仕留めてみせる。僕は心に近い、集中する。


 ……そういえばあの森には、泉があった。こんな戦争が終われば、あそこはきっと僕の理想郷に変わることだろう。あの草むらに寝そべり、泉の音を聞きながら、のんびりと過ごしたい……


 そして僕は、引き金を引いた。


 バンッと、拳銃にしては大きな音が轟く。人の頭ほどの直径のビームが、その砲台目がけて真っ直ぐと伸びる。そしてビームは、その大砲の長い砲身の先端に着弾する。

 拳銃といえども、最大出力時には家一軒を吹き飛ばすほどの威力を持っている。着弾したビームは、砲身の先端部を削り取るように吹き飛ばし、猛烈な爆風を砲台の周囲に起こす。その衝撃に、砲台に立て籠もっていた兵士達は四散する。

 僕は銃を腰にしまい、再びバリアスイッチを押す。これで、脅威の一つは取り除かれた。あとはどうやって、この場を離れるか……


 その時僕は、視線を感じる。見ると、銀髪の二色の瞳を持つ女兵士が、僕の顔を穴が開くほど見つめている。

 それは半分驚愕し、半分感嘆したような表情で、僕の顔を見つめていた。僕は彼女のその顔に、胸が高鳴る。

 そういえば僕らは今、抱き合ってるんだよなぁ……バリアシステムの防御範囲内に2人が入り込むためにやむなくそうしているのだが、そうは言ってもこの状況、僕には刺激が強過ぎる。

 そんな彼女が僕に、口を開く。


「今の……」

「はい?」

「今のは……なんだ?」


 そうか、彼女、いや、この星の人々にとっては、あの拳銃は未知の兵器。腰に身につけた小さなこの兵器が、たった一発であの大きな砲身を貫いた。この星の人々にとっては極めて非常識な武器の存在に、疑問を抱かないはずがない。


「ああ、その、これはですね……」

「どうして拳銃ごときが、長身砲の先端をいとも簡単に破壊することができるのだ!?それにこの見えない壁は、無数の機銃の弾を跳ね返している。これは一体、どういうことなのだ!?」


 彼女は僕に、この不可解な武器のことを問い詰めてくる。だが今にして思えば、不可解なのは彼女の能力の方だ。死人を蘇らせる技など、この宇宙ではそちらの方が非常識極まりない。

 しかし自身の事は棚に上げ、僕にこの武器のことを問う女兵士。だが、こんな戦場のど真ん中で、これらを説明する余裕などあろうはずもない。


 だが幸いなことに、このタイミングで味方が到着した。


 上空から、灰色の船体が降下してくる。全長300メートルの駆逐艦が、両陣の中間に着陸する。それも一隻二隻ではなく、何隻も降りてきた。

 両陣営の中間に着陸し、互いの攻撃を牽制するつもりのようだ。実際、突如目の前に現れたこの駆逐艦に、地上の兵士達は混乱に陥る。それはそうだろう。彼らからしてみれば、トーチカよりも遥かに大きな人工物が、空からいくつも舞い降りてきたのだ。驚かない方がどうかしている。

 それを見た僕は、彼女に向かって叫ぶ。


「行こう!」

「は?」

「あの船に飛び乗るんだ!」

「ふ、船って……ちょ、ちょっと待て!」


 着陸した駆逐艦を見るや、僕は彼女を抱きかかえ、そのまま駆逐艦へと連れ込んだ……


 それからいろいろあって、僕とカチェリーナは夫婦となった。


 ◇◇◇◇


「なあ、ルイスよ。」

「なんだい、カチェリーナ。」

「なんだってあの時、お前は私を助けようと思ったのだ?」

「えっ?だってあの時、カチェリーナは爆風に飛ばされて……」

「いや、爆風に飛ばされていたのは、私だけではないだろう。何十、何百もの兵士が、砲弾と機銃の弾の犠牲になって倒れていた。なのになぜ、私だけを助けようなどと思ったのだ?」

「それは……」


 そうだ。あの時僕は、彼女しか見ていなかった。なぜと聞かれると、返答に困る。


「カチェリーナ。」

「なんだ。」

「……今度、本物の海辺に行ってみたいよねぇ。次の休暇で2人、のんびりしようか。」

「おい!まだ私の質問に答えて……」


 ハンモックの中でいきり立つカチェリーナを、僕は抱き寄せる。そしてそのまま、彼女に口づけをする。

 運命の出会いだったのか、単なる偶然の産物か。ともかく僕らは出会い、今こうして生きている。大勢の犠牲の上で僕らは生き残った。ならば、死んでいった者達の分も、僕らはのんびりしなきゃいけない……銀髪を揺らし、顔を真っ赤にして僕の腕の中でもがく彼女を抱えながら、僕はそう考えていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ゾンビを塹壕戦に投入って、恐ろしいこと考えるなぁ((( ;゜Д゜)))
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