プロローグ
初投稿です。まずい文章ですが、お手柔らかにお願いします。
プロローグ
孤児院の院長が死んだ。
オレがそれを聞いたのは、某ファストフード店でバイトをしていた時だった。
すぐさまバイトリーダーに早退の旨を告げて、孤児院へと足を走らせた。
涙を流す暇なんてなかった。
なぜならオレがこの孤児院の最年長で、葬式の手続き等をしなければならなかったから。
孤児院の子供たちは珍しく静かだった。
いつもなら元気にはしゃいでいるはずなのに、意気消沈の様子だった。
院長はそれだけ慕われていたのだろう。そう思うと、胸がとても締め付けられた。
その数日後、孤児院の関係者と子供達だけで、葬式が行われた。涙は出なかった。
その代わりにだろうか。まるでオレの心の内を表すかのように、外ではザァザァと音を立てて雨が降っていた。
葬式場からの帰り道、オレは歩道の信号が赤から青に変わるのを待っていた。
「…………」
車道の信号が赤に変わり、それに伴い歩道の信号が青へと変わった。
ぼーっとそれを眺めて、オレは足を一歩踏み出した。
だからこそ、オレはそれに気付けなかった。
キキィーー!!という急ブレーキがかかる音が聞こえた。
それとともにオレの視界が真っ白に染まった。
そうして、オレは気がつくと見知らぬボロボロの家屋やテント、そして糞尿などのにおいが鼻に付く、スラム街らしき場所に立っていた。