「いってきます!」(この時の俺は知らなかったこれから待ち受ける未来を)
「さーて!大体説明し終わったかなーっと」
ディーは「んっ」と色っぽい声を吐き蹴伸びをした
「後は、君の適正属性を決めたら終わりだ!」
「お、きたな!」
「嬉しそうだね~もう考えてある?」
「んーどれも捨て難くて…」
何者も寄せ付けぬ 炎
全てを凍らす 氷
塵1つ残さない 風
その他どれも憧れたものばかりだ
「オススメとかない?テレポートと相性がいいのとか」
俺は聞いてみる事にした
自分の能力の事だし。欠点とかも分かるだろうし
「そだねー強化系は取っといた方がいいかもねー」
「そのこころは?」
「テレポートの基本的な攻撃で1番わかり易いのはやっぱり近接攻撃だから」
「なるほど…」
まぁそうかもな
1番シンプルでイメージしやすい
懐に入って掌底!みたいな?
俺の選択肢の最有力候補も強化魔法だった
これは決まりかな
「もう一個ない?」
俺は参考にするためもう1つの方も聞いてみた
「もう1つはアタシの意見を聞かず自分で決めてみたら?その方が面白いと思うよ」
まぁ確かに。有用性を説かれれば流されるかもしれない
さて、何がいいか……よし!
俺はそれほど悩まなかった
「よし。じゃあ雷で!」
「ほぅ。ちなみに何で?」
理由は単純だ
「強そうだし便利そうだし応用聞きそうだし。何より俺はカッコイイと思うから!」
雷
自然界で時に抗えぬ死をもたらす厄災
そんの雷を操ってみたいと思っていた。
ディーに好きにしてみたら?と言われたので自分の欲望に素直になった結果がこれだ
「いいね!シンプルで」
「ちなみに使い方のオススメとか教えて貰えるの?」
「神様は来世の人生の行動に関するアドバイスはしちゃいけないんだーそれにこれも一緒♪自分で考えてこその異世界転生じゃないの?」
ディーわかってるな~
「よし早速だけど能力を授けるよ!」
お、待ってました!
てか、授けるってどうやってだろう?
肩に手を置いて神の魔力を注入とか?
それとも指パッチンしたら光に包まれる~とか?
「そのまま立っててね」
ディーはそう言うとトコトコと俺と距離をつめた
「え、なに!?」
「ジットして」
後ずさりかけた俺をディーは肩を手で掴み逃げられないように固定
そして今度近づいてきたのは顔
え、もしかして!?
俺は無意識に目を瞑った
何もない空間に「チュッ」と言う音が響いた
おお…マジか
まだ感触が残っている
ディーのキスの感触が
俺はディーにキスされた場所
〃おでこ〃をまた無意識に触った
「(´゜艸゜)∴ブッ」
とディーは笑いを堪えきれず
「・:*ゞ(∇≦* )ぎゃはは」
とディーがお腹を抱えて笑い始めた
「君今さ!唇にされると思ったでしょ!目なんかつぶづちゃってさ~」
うっ…男なら誰だって期待するだろうに
童貞の純情を弄んで本当に神かよ
「あぁ~カワイイなぁ~アタシの加護をあげたのも君ならいいかなと思えるね」
カワイイって…
女の子は何気なく言ってきても嬉しいと思える人は少ない言葉だよな
「今のデコチューで君にアタシの能力と望んだ魔法の才能を与えたよ
ついでにアタシの加護もね。君が転生した後も夢を通じて会う事ができる。まぁアタシからの一方通行だけどね」
ディーは淡々と大事な事であろう説明をスラスラとしている
俺はまだ、キスされて呆然とした頭から帰っていないのに
あーもう!切り替えよう
「安心してね。君をずっと見てるって事はないから。アタシもそれなりに忙しいからねー」
そらそうだろう。ずっと見守ってるとか言われたら「え?」ってなる
トイレとかお風呂とか落ち着かなさすぎる。そんな生活は嫌だ
「さぁアタシからの説明はお終い。異世界転生な準備はいい?」
「ちょっと待って」
「うん?何かな?」
俺は最後にずっと気になっていた事を言うことにした
「俺の事はさ…唯斗って呼んでくれない?」
ずっと思っていた。君と呼ばれていた事を
俺はディーと過ごした時間。色んな感情変化を起こした
そして俺はそれらを、安らぎの時間と感じた
まだ会うというなら、ディーには君などではなく名前で呼んで欲しい
「フフっ♪」
ディーは口を手で隠し笑った
「嫌だよ」
「え、マジ?」
「マジのマジだよ」
「ああ…そう」
俺は断られるという事を考えていなかった
あぁ…何で俺はこんな思い上がりを…
まぁ神からしたら下等生物の一体にすぎないんだろうな
「多分さ。勘違いしてるね」
勘違い?
「勘違いってどういう事?」
「柱間唯斗は死んだんだよ?現に魂は消えかかっている。
君は生れかわる。そして、新しい名前を貰い受けて生きていくんだ
ちょっとキツい事言うかもしれないけどいつまでも柱間唯斗でいてもらっちゃ困るよ」
「ああ、そう言う事…なのか…俺はテッキリ…」
「テッキリ?」
「俺の事を下等生物とか思ってるのかなって」
「何それ!?超ネガティブ!まぁ中にはそう思ってそうな神もいるけどね」
いるのか
でも、この口ぶりだと
「ディーは?」
俺は確認せずにはいられなかった
「アタシは思ってないよ。人間も神もそんなに変わんないよ」
「そっか」
良かった。俺はこれからもディーとこうやって憂いなく
こうやって会話をしてもいいんだ
「ディー。ありがとう。俺がんばるわ!」
「うむ!じゃあいってらっしゃーい!」
ディーは「バイバイ」っと手を振る。俺はそれに手を振り返す
「じゃあ、行くね」
ディーはそう言うと指パッチンをした
ディーの指パッチンを合図に徐々に俺の体が消えていく
ああ、俺は本当に異世界転生するんだな。実感がこみ上げてくる
「またな!ディー!」
意識が遠のいて行く
ああ、何か体の奥底からポカポカしてくる
俺は本当に異世界転生するのだ。
頑張るぞ!
「ちょ!ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁ!」
意識が途切れていた俺にはその絶叫は聞こえていなかった
只今、小説書き溜め中
少々お待ちください