目玉スープの味
俺が住んでいた元の世界……言うならば人間世界の食べ物はインスタント食品やら何やらでとにかく見た目も飯も味も文句ナシだった。
もちろん、テレビとかでたまに言ってるインスタントの何に異物が入ってるとか期限切れて不味いとかは当たり前のようにあったがな
しかしながらこの世界はどうやら各種族食べ物も違って獣などは水だけで当分は生きるが、
鬼の種族はどうやら肉食系
まあ……想像は付いていたがな……
にしても骨付き肉とか食べるのかな?アニメとかでたまに見るから一度食べてみたかったんだよねー?と隣の鬼とワクワクして待っていたが、俺とその隣の鬼とではそのワクワクの違いがあったらしい。
出てきたのは……ドローっとした魔女が作ったかのような紫色のスープ。
そして中には……
『これはな目玉スープって言ってな……定番品なんだぞ!たんと食べな食べたべ?』
人間の世界から来た舌の肥えた俺たちからしたら予想外をはるかに超え僕を殺す気??やっぱり落ちこぼれ異世界人は咎められるのか?なんて被害妄想をしていた。
その俺達の様子を見て鬼たちはケラケラと笑い始めた。ビビリだから笑われてるのだろうか?でも……外見と同じで料理も見た目が……と思い心のどこかで俺はムカムカしていた。
『うめぇから食ってみろ?』
と、無理やりスプーンで目玉をすくい上げて口に放り込まれた。
『よく噛め』と言われ恐る恐るゆっくりと噛むと口の中で何かご弾けた。
『何これ……旨い』
食感は鶏肉に近いが弾力性があり、甘みがあった。そしてスープはというと色は怪しくいびつではあるが、これは懐かしのあの【シチュー】と同じ味だった。
目玉をバカにしてごめんなさい。
その日の晩餐食べた目玉スープが忘れられず俺はこの世界で好物が出来た。
あと、喋る果物たちも不気味だが、普通に美味しいことが分かった。
鬼の世界も大変でこれを他種族からみたら、怖い恐ろしいと思われ普段は温厚な鬼たちも勝手に悪いイメージしか持たれず苦労をしているとの事だった。
その為、俺は魔法剣士見習いとしていい案を出した。
魔法でその怖いイメージを無くすということ。
しかし、一人一人魔法をかけるのはめんどくさいので、鬼の住む範囲の地区まで結界魔法を貼り、外から見たらドクドクしいスープも喋る果物も全部普通のスープと果物に見える、加えて美味しそうにキラキラと見える幻術に近い魔法結界を張り巡らせた。
これでもかと言うくらいに。
しかし……まっそれは長く続くわけでもなく飽きっぽい鬼たちは数日だけ続いたが、なん週間も続きはせず結局、それを見たものは見間違えと思い結局解決には至らなかった。
『美味しいのに……』とボソッと言いながら笑うリンゴを食べるのになれてしまった俺は馴染みすぎてどうかしてるとおもうのは気のせいだろうか?
【続】
1年ぶりに更新。
休みすぎすみません。
他の小説書いてました
→『残滅の支配者』
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