鬼邪の国
甘くみてたっ……
【魔法剣士】になる為の道が
こんなにも
険しく厳しい道だなんて。
PSPのゲームで【魔法剣士職】を全クリしてたから
「全然楽勝じゃんっ♪」
と言う軽いのりでコチラの世界に来て
言われるがまま魔法剣士になった訳だが…………。
俺の目の前で竹刀で素振りをしている
サラサラとした白銀髪で整った顔に静かに汗を流してる奴と俺の差は【月とすっぽん】の様に扱いが違う。
やつの周りにはウジャウジャと可愛らしい女達がタオルやらドリンクやらを兼ね備えて目を光らせいつ休憩するかを見計らうかのように彼の素振りが終わるのを待っている。
それに比べ俺はドリンクの一つも渡してもらえず
挙げ句の果て女達に
「異人な癖してレオン様の隣で練習だなんて不常識だわっ!」
と避難を浴びながら練習をしている。
ハッキリいうとそこまで言われたら他の場所で練習したいのだが
それは叶わず此処は魔法剣士の最下級の者達が練習する所なので最下級の俺には此処しか練習する所は無いのだ。
草原の空いたところで練習を使用と試みたがお偉いさん達にキツく怒鳴られ怒られてしまった。
クソぉ……俺がレオンとか言う白銀髪見たいに顔立ちも整っていたら……
俺だってチヤホヤされてただろうに……。
まぁ……そんな俺にはレオンっていうやつと違って男ならメッチャ来るけどなっ!
お偉い奴とかスゲェ来るけどねっ
嫌……異人だから行動を監視されてるわけではないからねっ
嫌……マジで
疑うなよっ
今も何かしら近くに監視役が付いてるけど。
あっ言っちゃった。監視役って言っちゃった……。
まぁ……言っちゃったのはしょうがないからいいけどっ
そんな俺だけど周りの奴らに【異人】って言われてるのにはそれなりの理由がある。
【異人】と言う言葉の意味の通り俺は異世界の人間。
何故ここにいるのか?
ソレは、俺が望んだからここに居る。
「こんな世界で行けていけれたら俺は金にも困らずイジメも受けず親にも見捨てられないだろう。この世界で生きてぇ……。」
そう思ってベットに伏せて寝てたら気づくと知らない森に俺は居たんだ。
それにそこに居たのは俺だけじゃなかった。
俺以外にも(おそらく俺と同じ境遇の奴ら)がそこら辺に数名居た。
服装は俺もだが何故か西洋の紳士的な服を着ていた。
カッコイイけど何これって感じで勿論、状況が読めなかった。
そんな時に俺達は1人のお偉いさんに連れられ何故か……
【魔法剣士】の道を強制的に進められたのだ。
俺と同じ境遇の奴らには色々な奴がいて
俺と同じ様に物わかりが悪く最下級にとどまってる奴もいれば
物わかりが早く上層級に居座ってる奴もいる。
そんな奴らを見て俺も頑張っているが
俺はどうやら何も掴めず居るので未だに階級が上がらないでいる。
何とも最悪なことだ。
はぁぁぁ……
俺が駄目すぎてため息がつく。
どうにかならないものか……。
そう思っていると俺達【異人】達に派遣が行われることとなった。
派遣と言ってもそれぞれにあった国の一族の一員として向かうことになる為
国々が歪み合ってる今、
俺達がバラバラになるって事は
国が対立すると同時に
俺達が敵同士になるということだ。
俺的にはソレは避けたいものだがどうやらそれは避けられないらしい。
国には
大きく分けて5つあって
妖精などが住まう【精霊の国】
角が映えた未知な力を持つ鬼が住む【鬼邪の国】
天空を操る幻獣の力を受け継ぐ者達が住む【獣の国】
心を操る秘伝の力を持つとされる【心念の国】
そして、今オレ達が居る
魔法に特化した国【魔郷の国】だ。
そんな国々に俺達【異人】は分割される
大きく決めるのは俺達が影響されたものを見定めその体の変化を良く見て分割されるらしい。
例えば
左崎ノベル君とか言う俺と同じここに来た【異人】で高校生の彼には早くもこの世界に影響され鬼邪の国の者と同様の鬼の角が生えている。
ここに来たばかりの頃は彼には生えていなかった。
そんな感じで他の人も影響されて姿が少し変わってきている。
俺はと言うと鬼の角はまだ生えてはいないが魔力族性や回復力から見て鬼邪の国行きらしい
えっ?何?俺……鬼なの?
鬼の角が生えてないから人間って思われて食われちまうよって思ってオロオロしてた俺だが何かそんな心配は居らなかったみたいで鬼邪の国に着くまでの5日間でやっと角が生えました。
色は黒でアニメとかで見た黒鬼は夜叉とか言って結構強い方に入るらしいけど、俺は何かナンバー2くらいの強さらしい。
どうせなら一番が良かったなと欲張りを言ってる俺だが
一番強い鬼は銀色の角をした鬼らしく
黒鬼は銀色の鬼の右腕的な存在らしい。
此処でも銀色が強いのかよっと思い舌打ちをし終わると一つの疑問が出た
ノベル国って……
角……「銀色」!?
って事は
銀色の角の左崎ノベル君の右腕ってまさか【俺】!?
アタフタしてる俺の隣で怪しい笑いをしているノベル君……。
マジで怖いんですけどっ!!
そんな恐怖感を感じつつも長旅を終えて【鬼邪の国】
に着きました。
個人的に表では歓迎されたけど、裏ではどうせ悪口とか言われて歓迎されて無いんだろうなと思ってたけど
何か大歓迎されてました。
何故こんなにも歓迎されているんだ?と思いノベル君に聞くと
俺達が上位の鬼の種族だからだからと教えてくれました。
何でそこに気づかなかったんだ俺
最下位の鬼の種族だったら舌打ちとか絶対されてたわっ
奇跡起こってよかった。
良かった【中吉】だったよっ
あっでも……ノベル君は【大吉】だね。
羨ましい限りだよっ
ホントっ……
って感じで喜びまくってたけど
そんな事を思ってると何か色々儀式があるようで
歓迎された次の日からは分身体が欲しいくらいにとても忙しかった。
その性で俺とノベル君はもうヘトヘトでした。
【続】