咲いて散る華
初めて歩く路だ。一見真っ直ぐに続いているようにしか見えない。けれども体の感覚がまもなくスクランブル交差点の様な十字路に差し掛かることを告げている。
ロジックがとけているので、行く方向はわかっている。ここである程度の荷物を捨てていくことを。
また良く似た荷物を持つことになることは解っているのにいまは単純に嬉しいのだ。
白き薔薇のロジックは、そう遠くはないはずだが待てどまだとけない。
白き薔薇のロジックが解ける時、その時の為になにをしよう。
白薔薇のカードに“will”として一言書いておこうか?文句はやっぱり
Thank you
とでもしようか?
BGMは何にしよう。
クラシック?ジャズ?それとも季節にあったバラード?
アクセサリーにはアメジストがいい。
渡りたいのだがまだ準備中らしい。今回のロジックの路ですら渡れない。渡れない。 人生は咲いては散る花だ。 岐路で咲いた青き花は散り紅い種となり、また青き花となる。
人の出会いも同じく。出会いそれぞれに花を咲かせ、岐路に立ち別れ花を散らす。
散りゆく華こそ美しい。
そして今日も一人 引きの美学で花を愛でる。
いつかは若く蒼き春には嫉妬しながら、強く激しき夏はどこか憧れ、実り乾いた秋には静寂に、白く強き冬に夢見、脳裏に白き薔薇を描きながら死の永遠の淵に深く深く沈むまで。
―咲いて散る華―