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第三話 ピストル狩り宿舎襲撃作戦

 桂小五郎率いる長州藩の宿舎に着き、

十造は、彼らが国の政治、

運営等に携わる人達だと、

それ故銃や弾を買う独自のつてがあるのだと、

会話を重ねる内に分かってきた。

十造は政治の事は良く分からなかったが、

とにかくこの人達は

“なんかすごいひとたち”だと認識し、

そして十造にはそれで充分だった。


 桂は話し始めた。

桂 「いいかい?十造君。

  我々は幕府打倒派の一派なんだよ。

   幕府を倒して、

   新たな日本を作ろうとしてるんだ。

   だが、幕府の権威を守ろうとする一派、

   幕府応援派も存在してる。

   さっきのピストル狩りの奴らも

   そうだろうね。

   恐らく奴らの目的は、

   幕府以外の者達からピストルを取り上げ、

   反乱の武力を持たせない事だろうね。


   これから奴ら幕府応援派との戦いが

   始まるだろう。

   明日のピストル狩り宿舎襲撃作戦は、

   その為に大事な戦いだ。

   この戦いに勝利し、

   奴らの士気をくじいてやるんだ。

   心の準備はいいかい?十造君」


 十造は桂の話を聞いて、

凄く頼もしい人達に出会えた事を

心底喜び、若さと喜びに溢れた表情で答えた。


十造「はい!頑張ります!戦果をあげます!」

桂 「はは、いい返事だ。そうだ。

   明日は一緒に戦うんだからね。

   これをあげるよ。使ってくれたまえ」


 十造は桂からピストルの弾を六発もらった。


十造「あ、有難うございます!」

桂 「まだ正式な仲間では無いから

   今は六発だけだ。

   所で、君は銃を撃った事はあるのかい?」

十造「いえ、師匠から銃を貰っただけで、

   撃った事はありません」

桂 「そうか、なら実戦で使ってみるといい。

   ……言っておくが、

   敵はピストル狩りって呼ばれてる連中だ。

   当然奴らも銃を持ってるだろう。

   そして君も銃を持ってるなら、

   どうなるか分かるかい?」

十造「…相手も俺を撃ってくる…ですよね」

桂 「……やめるなら今のうちだよ……」


 十造は桂の話を聞いた瞬間、

銃を持つ事の重大さと現実味を浴びせられ、

言葉に詰まってしまった。

だが幕府を倒すという目的と若さが、

十造の迷いを吹き払った。


十造「やります!幕府をぶっ倒すって

   決めたんです。

   この旅を始めた時から、

   覚悟は出来てます……」

桂 「……分かった。明日は共に戦おう。

   十造君、これからはピストルの時代だ。

   刀だけでは西洋の武器に

   太刀打ち出来ないだろう。

   だから勝つ為には

   銃でも何でも使うといい。

   

   中には侍が銃を使う事を

   卑怯だとか邪道だとか

   言う者もいるがね」

十造「いえ、俺はそんな事思いません。

   以蔵師匠が言ってました。

   これからの時代に必要なのは、

   常識に捕らわれない事だ。

   勝つ為には、

   銃だって使わないと駄目だって」

桂 「……おお、分かってくれるかい、十造君」

十造「勿論です。侍は、

   何があっても絶対に勝たなきゃいけない。

   師匠の言葉です」

桂 「君の師匠にも会ってみたかったね。

   明日は宜しくね。戦果をあげてくれたら、

   約束通り、坂本龍馬を紹介してあげるよ」

十造「はい、あの、その事なんですが」

桂 「ん?どうした」


十造「その坂本竜馬さんも、桂さん達と同じ

   幕府打倒派なんですか?」

桂 「ああ、そういう事か……彼はね、

   幕府打倒派でも

   幕府応援派でもないんだよ」

十造「え?どういう事ですか?」

桂 「彼は誰とでも仲良くなれる

   人徳や才能があるみたいでね、

   両派閥のどちらにも組せず、交渉や説得を

   重ねてこの国を変えようとしてるんだ。

   世界を広い視点で見て捉え、

   誰よりも先を見据えてる。

   そしてその野望を実現する為に

   日本各地を転々としてる。そんな男だよ」


十造「…………」


 この桂小五郎と言う

長州藩の代表らしき人でさえ

そんな風に評価する坂本龍馬とは、

一体どんな人物なのだろうと、

十造の関心は膨らむばかりであった。




 翌日、深夜


ピストル狩り宿舎襲撃作戦 決行


 桂達、幕府打倒派の集団と十造は共に

ピストル狩りの宿舎に忍び入った。

敵達の寝込みを襲い、

ばれたら各自戦うという作戦だった。

 皆音を立てず廊下を渡り、ふすまを開けると

ピストル狩りの隊服の男達が寝ている。

(私が先陣を切ろう)

ヒソヒソ声で桂がそういうと、

敵の口を手で塞ぎ、脇差で敵を串刺しにした。


「!!……」

敵は苦しむが声は出ず、動かなくなった。

暗殺成功 

 (……もう夜盗と同じじゃないか……

どっちが悪人かわかんねえよ……)

十造は思ったが、

勝つ為に皆についていくしかなかった。 

 別の仲間が同じく敵の口を手で押さえ、

脇差で串刺しにする。

「グウウーー!!!」

急所が外れたのか敵の叫び声が

辺りに響いてしまった。

「何奴!?」 「敵襲か!?」

敵が起き上がり、ピーーーーと笛の音が鳴る

おそらく敵の警報なのだろう。


皆!散開して各自戦え!

桂がそう言った直後、

ピストル狩り達が四方から現れ、

桂達に迫ってくる。


右手に刀、左手に脇差でなく、

ピストルを構えて。


つづく

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