第十話 京都へ 寺田屋事件
桂はグラバーとの武器購入の約束を交わし、
三人は家路を歩む。
龍馬「……十造よお、
正直、お前の事はまだ会ったばかりで
実力も人柄も良く分からなかったんだ。
だが、今日のおまえの
戦いと、行動力をみて分かったぜ。
これなら大丈夫だってなあ。
俺は敵の多い身だから、
俺と一緒にいるとそれだけ
危険な目に合うから心配だったけど、
お前ならいけるだろ。
十造、俺の護衛になってくれるか?」
十造「え?……本当ですか?
龍馬「ああ、俺は日本中あっちこっち
うろうろするからよ、
しっかり付いて来てくれよな」
十造「はい!よろしくお願いします!!!」
桂 「はは、よかったじゃないか
十造君。君の夢に近づいたね」
十造「はい、有難うございます!」
十造は坂本龍馬の護衛として
生きていく事になった。
(この人を支えて、
俺もこの国を変えるという野望に、
参加できるんだ。俺も何かが出来るんだ)
十造はそう思い、自分の未来に
胸を高鳴らせるのであった。
数日後
桂達、長州藩の皆との別れの時が来た。
宿舎の前で皆が集まってくれている。
十造は龍馬と並び、長州藩の皆と
向き合いながら別れを切り出す。
十造「桂さん。皆さん。
今までお世話になりました。
俺、これからは龍馬さんと
一緒に頑張ります。」
桂 「……正直、
君にはもっと一緒に戦って欲しい
くらいだよ。
途中からは、君の型破りな戦いに
期待してた自分がいたからね。
困ったことがあれば
いつでも戻ってくるといい。
君が味方なら大歓迎だよ」
「おうよ」「いつでも帰って来いよ」
「待ってるぜ」「俺達の事忘れんなよ」
皆別れの言葉をかけてくれる。
十造は別れが惜しくなったが、
未来の為に別れを告げる。
十造「皆さんの事絶対忘れません。
俺、行ってきます!」
桂 「うん。達者でね、十造君。
いや、ピストル侍君」
十造「もお!最後の最後にやめて下さいよ」
龍馬「よっしゃ、そんじゃそろそろ行くか
ピストル侍」
十造「だからー龍馬さんも
合わせないで下さいー!」
一同「ガハハハハハ……」
笑い声に包まれながら
十造は長州藩の皆に別れを告げ、
龍馬に連れ添い、京都へと向かうのであった。
京都にて
十造と竜馬は共に歩み、
刺客に襲われれば共に戦い、
共にこの国の未来を語り合い、
互いに絆を深めていった。
ある時、龍馬は桂達長州藩と薩摩藩の間に
薩長同盟と言う締結を結ばせ、
より強大な組織にして
幕府に対抗しようとしてる事を
十造に話してくれた。
(やはりこの人は凄い人だ。これなら
本当に幕府を倒せるかもしれない)
十造は龍馬について来て良かったと感服した。
十造にとって龍馬は兄の様な
頼れる、そして尊敬できる存在になって行った。
難航の末、龍馬の取次により
薩長同盟が締結した数日後、
龍馬が潜伏や会合の拠点にしていた
寺田屋に龍馬と十造はいた。
突然、階段を駆け上がってくる音が
響き、龍馬と親しい関係にあった
お龍という女性が飛び込んできた。
「龍馬様!お逃げください!」
お龍がそう警告すると
龍馬は襲撃だと察知し、
龍馬、お龍、十造の三人は
寺田屋から逃げ出した。
寺田屋の外で三人は敵勢に立ち塞がれてしまう。
龍馬は銃で敵を一人撃つ!
直後、龍馬に別の敵が襲い掛かる!
龍馬は銃を撃った手を敵に斬られ負傷する。
斬り合いは避けられなくなった中、
十造が「ここは俺に任せてください!」と叫ぶ。
「すまん!伏見屋敷で合流だ!」
と言い、龍馬とお龍は逃げて行く。
(敵は残り四人!圧倒的不利!
だがやるしかない!龍馬さんを守る!)
十造は敵四人に一人で戦う覚悟を決めた。
敵が銃を撃って来る!
ダン!ダン!ダン!ダーン!
十造は幾多の戦いを乗り越え、
相手の目線や腕の角度から弾道を予測し、
そして人差し指の動きから
銃弾が撃たれる瞬間を
予測する事も出来ていた。
キーーン!
十造は一番左の敵へ走り込みながら
弾丸を刀で弾き返した!
そのまま左端の敵を袈裟切りにする!
「グオオオオ!!」
左端の敵は絶命!
敵三人が銃で撃って来る。
十造は斬った敵の死体を盾にして防ぐ。
敵三人の銃弾は、
十造が斬って盾にした死体に当たり
十造は無傷。
十造は盾にしてる死体を肩に担ぎ、
そのまま近くの敵に突っ込み
担いでる死体を投げつける!
投げた死体をぶつけられた近くの敵は
後ろに倒れ込み、
投げた死体が上に覆いかぶさって
動けないでいる。
十造はそのまま横の敵を真一文字に斬る!
その直後遠くの敵が銃を撃って来るが
十造は刀で全弾弾き返し、銃で撃ち返す!
ダン!ダン!ダーン!
三発命中し相手は絶命!
死体が覆いかぶさって動けない敵を
十造は死体ごと上から刀で串刺しにした!
ズサ!! 「グウウウウ!」
敵勢全滅。最後の敵のうめき声の後、
静寂が広がり、十造は安堵した。
その瞬間殺気と風のうねりを察知し、
十造は横っ飛びで身をかわす。
その瞬間十造目がけて脇差が飛んで来た!
脇差はたった今十造がいた場所に
突き刺さった。
身をかわした十造が
脇差の投げられた方を見ると
塀の上に男が立っていた。
十造が男に銃を撃つ!
ダーン! 十造の撃った弾丸が
男に直撃するその時
キイイイン! 男は刀で弾丸を弾き返した!
「!!何者だ!」と十造が問う。
「……我々は京都見回り組。
我が名は、隊士、佐々木只三郎。
若造よ、そのツラ覚えたぞ……」
そう言うと、男は去って行った。
(京都見回り組?……
あの銃を刀で弾いた男、一体何なんだ?)
十造は今までとは違う
更に手練れな敵が現れたと感じていた。
十造は龍馬と合流する為、
急ぎ伏見屋敷へと向かった。
つづく




