表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

第一話 旅立ち

挿絵(By みてみん)


 この物語はフィクションです。

実在の人物や団体等とは関係ありません


 この物語は史実を元にした架空の物語です

作中における歴史上の人物や事件等は

実際の史実とは違いがある事を、

あらかじめご了承下さい


 また、特定の思想や価値観を

支持するものではありません




原作 ゼロイチ




「……卑怯だろうが、邪道だろうが、

知った事か! 何が有ろうと、侍は、

勝たなきゃならないんだ!!!」




THE ピストル侍!




第一話 旅立ち





 時は幕末 異国から来た黒船により

日本の常識は覆された時代。

幕府は各地に弾圧を続け、人々の胸に

反乱の火種が燃える中、

四国 土佐藩に、反幕の為に

武器や食料を備える村があった。

だが計画は幕府の耳に漏れ、

ある夜幕府からの刺客達が村を強襲した。


「反幕を企んでるのはお前らかー!!」

村の家々が襲われ、刺客達はそう叫びながら

ある家の主人を斬った。

「お父さーーん!!」

少年は叫び、怒りと復讐に任せ

床の間の刀を取り刺客に斬りかかる。

だが幼い腕が振るう太刀筋はあまりに鈍く、

呆気なく刺客に刀を弾き飛ばされてしまった。

「子供とて容赦せんぞ!」刺客を怒らせ、

少年はもう駄目だと死を悟った時、


 ズサ!! ズバ!!

二人の刺客は背後から続け様に一瞬で斬られ、

床に倒れた。

「!!?」少年の目の前には

鋭い眼差しの二刀を構えた侍が立っていた。


少年「あ、有難うございます!お名前は!?」

侍 「岡田以蔵と言う。無茶をするな、

   家に隠れてろ」


 侍の名は岡田以蔵 土佐勤王党という

幕府を倒そうとする者達による組織の

一員であった。

 父親を殺され何も出来なかった自分。

そして目の前の侍との

余りの力の落差を見せつけられ、

少年は無力に潰された。

父親を殺された恨み、

そして無力な自分自身への恨みが、

少年を突き動かした。少年は立ち去る侍の背中を

魂の声で呼び止めた!


少年「待って下さい!!僕も

   貴方みたいに強くなりたいです!!

   僕に剣術を教えてください!

   お願いします!!」

以蔵「……刀を持つのなら、

   刀で斬られても文句を言えないぞ。

   覚悟出来るか?」

少年「はい!構いません!どうせ死ぬなら

   あいつらに立ち向かって死にたいです!」

以蔵「!!……フフ、坊主、名前は?」

少年「十造。

   隼瀬十造 (ハヤセ ジュウゾウ)です!!」

以蔵「十造、言い名だ……一緒に来い」

十造「有難うございます!!!」


 十造の新たな生活が始まった。

以蔵の家で料理や掃除など世話役をしながら

十造は以蔵に稽古をつけてもらった。

剣術だけでなく、文字の読み書きや

礼儀作法や処世術など多くを学んだ。

以蔵の流派は鏡新明智流。

一刀での稽古に慣れてきたら

二刀流の稽古も教えてもらった。

 以蔵は土佐勤王党の一員として

暗殺や要人警護をしていた。

実力をつけて来た頃から十造はその任務に同行し、

見学したり時には実戦に参加する事もあった。


 ある夜十造は以蔵と仲間達に同行し

任務に参加してた。

戦いの中、以蔵は多数に囲まれ、

追い詰められる中、

「死にたい奴から、掛かって来ーい!!」

そう叫ぶと

敵に決死の勢いで斬り掛かっていった。

風のように身をかわし、

稲妻のように素早く駆ける姿に

十造は見惚れていた。

以蔵が敵を斬り伏せた直後、

横から別の敵が襲ってきた。

「師匠!危ない!」

十造が駆け寄るが間に合わないと思った時、

以蔵は懐から銃を構え、

襲ってきた敵を一瞬で撃った!

ダーン!!銃声が轟く。

(!?)十造はその始めて見る武器に驚き、

何が起きたか解らなかった。


 任務を終え家に戻り、十造は以蔵に尋ねた

十造「以蔵師匠、さっきの武器何ですか?」


以蔵は懐から先程の銃を出して見せながら話す


以蔵「ああ、これはな、銃だ。

   ピストルとも言う。

   火薬の爆発力で弾を飛ばして、

   離れた敵を撃てる西洋の武器だ。

   フランスのルフォシューって銃だ」

十造「刀の間合いより遠くから

   攻撃出来るんですね」


以蔵は真剣な表情で改まって話した。


以蔵「うむ……いい機会だな。話しておこう。

   いいか十造、黒船が来て、

   日本の常識はひっくり返った。

   勿論侍の常識も通用しない。

   いいか、侍ってのはなあ、

   どんな時でも、何があっても、

   勝たなきゃならない!絶対にだ!

   これからの時代に必要なのは、

   常識に捕らわれない事だ。

   勝つ為には、銃だって使わないと駄目だ。

   でないと新しい戦術や武器に勝てない。

   十造、勝ち続けろ!何があっても!

   それが侍だ!」

十造「はい!わかりました!!」

以蔵「よし、よく言った!」


 以蔵と十造は本当の親子の様に

深い絆を結んでいた。

そしてそんな日々は

唐突に終を突き付けられた。

 ある暗殺任務の夜、以蔵は捕らえられ、

拷問にかけられ、息絶えた。

町に置かれた以蔵の晒し首を目の当たりにし、

十造は泣き崩れるしかなかった。


 その夜以蔵の家で気持も収まらずにいる時、

以蔵の仲間が訪ねて来た。

「十造だね。君に渡す物があるんだ…」

そう言うと男は手紙と刀と袋を十造に渡した。

以蔵は困惑しながらも手紙を開くと

手紙には以蔵の辞世の句が書いてあった。


 君がため 尽くす心は水の泡

  消えにしあとぞ 澄み渡るべき


以蔵師匠の文字だと、その死を実感しながら、

他の手紙がある事に気付き、十造は読んだ。



 十造へ

これを読んでると言う事は

俺はもう死んでるだろう。

俺が死んだら、俺の友人 

坂本龍馬を頼れ。 あの人は

この国を変えようとしてる人だ。

父親の無念を晴らしたいなら、

幕府を倒したいなら

この国を変えたいなら、あの人を探せ。

今は長崎港に居るだろう。


俺の刀と脇差、銃もやる。持っていけ

新しい時代の侍になれよ 十造


岡田以蔵



「……以蔵師匠!……」

十造は涙を堪えきれなかった。

「十造、袋を開けて見てくれ」

と以蔵の仲間の男が言う。

十造が袋を開けると、

中には以蔵の銃ルフォシューが入っていた。

以蔵の仲間が続ける。

「以蔵がそう言ってるからね。使ってくれ。

あいつの刀、肥前忠弘もな。

その方があいつも喜ぶだろうからね」


「え?い、いいんですか?」と十造は聞く。

「ああ、勿論だとも」と

以蔵の仲間は快く答えてくれた。

十造の涙は渇き、

落ち込んでいた気分も楽になっていた。


 十造は旅の支度を済ませ、

腰に以蔵の形見の刀、肥前忠弘と脇差を刺し

そして懐に以蔵の形見の銃、

ルフォシューを忍ばせ

日の出も待たず旅立った。


 月明かりの下、十造は歩を進める。

何かに背中を押される様に。

それは、父親の無念を晴らすという復讐心。

それは、幕府を倒したいという野心。

それは、この国を変えたいという使命感。


 そして、それは、

俺にも何かが出来るかも知れない、

何かを変える事が出来るかも知れないという、

もしかしたら、それは、希望!


 十造はいつの間にか駆け足になっていた。

坂本龍馬と言う男を探しに、

十造は長崎港へとひた走る。

 

 隼瀬十造の戦いの旅が、

今ここに幕を開けたのであった!


つづく



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ