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僕の恋人  作者: 織田一菜
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第六十八話 パーティーの終わりは

前話で誤字がありました。


fwgkさん誤字のご指摘ありがとうございました。


「敦君の嫁探しっ!」連載中です


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「さってと‥‥私はそろそろおいとまするとしますか」


誕生日会の片付けを終えた六車さんはそう言うと鞄を持って立ち上がる。


「京華、泊まっていかないの?」


「いや、さすがにそこまでいれないですよ」


そこまで言って六車さんは僕と真鈴のいる方を見てニヤリと笑う。


「二人の邪魔しちゃ悪いしね」


「じゃ、邪魔って‥‥」


もう僕は泊まることは決定事項なんだ‥‥


僕がプレゼントした服を着た(どうやらサイズはきちんと合っていたようだ)真鈴は顔を赤らめて俯いている。


「せっかくの記念日なんだから、二人っきりでいたいでしょ?」


「それは‥‥」


そうだけれど‥‥


「それじゃあ、私もそろそろ帰ろうかな‥‥あ、明日の準備はしておくから、安心してね」


由香もそう言って立ち上がる。


まるでそれを合図にしたように皆がぞろぞろ帰って行く。


「それじゃ、お邪魔しました」


最後に奏が部屋を出て、僕達四人が残される。


「さってと‥‥じゃ、寝る準備しますか。一之瀬君は真鈴と一緒の部屋ね」


「え、な」


「まぁ、私の部屋でもいいけど?」


三神さんが悪戯っ子みたいな笑みを浮かべながら真鈴に言う。


「良いわけあるかー!!」


うわ、デジャブ‥‥


「じゃ、真鈴の部屋で決定ね‥‥お風呂は? 一緒に入る?」


「い、一緒に‥‥」


真鈴の顔が一瞬で真っ赤になる。


「ひ、一人で入って来ます!」


僕はこのままだと一緒に入ると言いかねない真鈴をおいて一人で風呂場に逃げ出した。




シャワーを浴びて戻って来ると、真鈴と三神さんの姿はなかった。


「沙羅さん、真鈴達は‥‥」


「二人でお嬢様の部屋を掃除してますよ。一之瀬さんが見ても引かないように‥‥って。まぁ、わざわざ掃除するほど汚くはないんですけどね」


沙羅さんが苦笑いする。


直接に、三神さんがリビングの扉を開けて顔を出す。


「じゃ、私達お風呂入って来るから‥‥」


三神さんはそこまで言うと、また悪戯っ子のような笑みを浮かべ、僕を見てウインクをする。


「一之瀬君も来る?」


三神さんがとびきりびっくりするようなことを言い出す。


廊下からは真鈴の怒鳴り声が聞こえる。


「行きませんよ!」


「あら、そうなの? 知ってると思うけど、真鈴、結構大きいわよ」


「何の話してるんですか!?」


「それは勿論む」


「いいから早く行って下さい!」


楽しそうに話す三神さんをリビングから追い出す。


恥ずかしくて顔が熱い‥‥


「一之瀬さん、顔真っ赤ですよ?」


沙羅さんが微笑みながら僕に言う。


「だ、だって‥‥」


「ウブなんですね、あれだけいちゃいちゃしてるのに」


「い、いちゃいちゃなんて‥‥」


してません、と言いかけた時、沙羅さんの表情がやけに嬉しがっているのに気がついた。


「何でそんなに嬉しそうな顔をしてるんですか?」


「え?」


沙羅さんは驚いたような表情になる。


「いや、そんな感じに見えたので‥‥違いますか?」


僕が訊くと、沙羅さんはクスッと笑う。


「そう‥‥ですね。嬉しいですよ。今のあの子を見てると」


「三神さんのこと‥‥ですか」


「ええ‥‥前まで娘の‥‥葉のあんな顔、見れるなんて思わなかったですから」


沙羅さんはそう言うと、暗い顔をして俯く。


「沙羅‥‥さん?」


「あ、いえ、ちょっと思い出しただけですよ‥‥昔をね」


何があったのか‥‥凄く気になった。


だけどそれは、沙羅さんから訊くべきことじゃない。


「そうですか」


「ええ‥‥葉があそこまで明るくなれたのは‥‥一之瀬さん、あなたのおかげです」


「え、いや、僕は何も‥‥真鈴とか奏とか、十文字とかのおかげですよ」


僕がそう答えるど、沙羅さんは首を横に振る。


「勿論、お嬢様や奏さんや‥‥十文字さんのおかげでもあります。ですけど‥‥十文字さんと仲良くなれたのは一之瀬さんのおかげですし、お嬢様がここまで感情を表して葉に接していけるのも‥‥一之瀬さんのおかげですから‥‥これからも‥‥葉とお嬢様をよろしくお願いします」


沙羅さんはそう言うと頭を下げた。



というわけで、次からは三神の過去編です。


一人称三神の回も出てきます。

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