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僕の恋人  作者: 織田一菜
51/99

第四十九話 体育祭開催

これまで出てきた城羽学園在籍キャラのほとんどが出てきます。


で、新キャラもいます。


キャラをお忘れの方はコチラ→http://ncode.syosetu.com/n6558l/1/

のキャラ紹介でご確認ください

ついに、体育祭の日が来てしまった。


開会式が始まるまで、僕達は(生徒会の仕事があるモモさん以外)応援席で待機することになる。


「いよいよだねぇ〜」


京極君がいつも通りの笑顔で笑いかける。


「一之瀬君なら大丈夫ですよ‥‥多分」


三神さんが若干不安そうな表情で言う。


励ますならもっと元気そうな顔で言って欲しい。


「三神さんも‥‥吉兆さんのこと知ってるんですか?」


「まぁ‥‥真鈴と共通の知り合いですから」


僕の質問に三神さんがそう答えると、京極君は一瞬だけ真顔で三神さんを見たけど、すぐにいつもの笑顔に戻る。


「ほら、いつまで悩んでんだよ!」


奏が僕の背中を叩きながらいつもよりも元気に大声で言う。


空元気なのがバレバレだ。


「奏、うるさいし痛い」


僕がそう言うと奏はぴたっと動きを止める。


なんで皆が(一部除く)こんな変な感じになっているのかというと、やっぱり吉兆さんが関係していた。




吉兆さんから勝負を挑まれた後、向こうからもう一度呼び出された。


「吉兆‥‥さん? あの‥‥なんで‥‥勝負しなきゃなんですか?」


「‥‥あなたが勝ったら教えてあげるわよ」


そう言って吉兆さんは"勝負"のルールを説明し始める。


それはいたって簡単で、僕と吉兆さんが一緒に出場する種目と全ての種目を終えた後の総合順位で上の順位だった方が勝ちらしい。


「それでいいでしょ?」


いいもなにも、そもそも僕は勝負自体引き受けたわけじゃないけど‥‥


でも、吉兆さんは断らせない、というような雰囲気だった。


「‥‥分かりました」


僕がそう答えると、吉兆さんは口を一文字に結んでキッと僕を睨む。


「負けないから」


吉兆さんはそう言うとどこかに行ってしまった。




「なんでそういう勝負受けちゃうかな‥‥」


由香が呆れた様子で僕を見る。


「絵里と悠が同時に出場する種目、障害物競争だけだな‥‥」


真鈴が不安そうに呟く。


「まあ、どんな奴が相手でも、どんな競技でも、悠君なら負けないだろ」


十文字が僕を見ながら微笑む。


「簡単に言うなよ‥‥」


「大丈夫だろ、お前なら」


八雲が僕の肩をぽんと叩く。


「ってか、別に学校の外でいつも通りいちゃいちゃしてればバレないんじゃないの?」


フミが薬箱をいじりながら(フミは今回の体育祭では救護の仕事をしている)僕と真鈴を見る。


「それは‥‥」


「嫌だ」


僕が答え終わるまえに真鈴が答える。


「私は‥‥いつも悠と一緒にいたい」


真鈴は顔を赤くしたまま呟くような小さい声でそう言った。


「うわ、ラブラブ‥‥」


「惚気てんじゃねぇよ!」


三神さんが呆れたような顔で限りなく小さな声で呟き、奏は楽しそうに真鈴の背中を叩く。


「ふーん、そういうもんなんだ」


「フミだってぇ、出来るならあの人とずっと一緒にいたいでしょぉ? 昨日だって放課後いちゃいちゃしてたしねぇ」


流石に七瀬先生の名前は出さなかった。


「何のこと?」


フミは全く表情を変えずに訊き返す。


「‥‥流石にボロは出さないか」


京極君がボソッと呟く。


「ま、ダメだったら私が貰ってあげますから、安心して下さい」


由香が悪戯っぽく笑うと、僕を抱き寄せる。


どうも本気で言ってるわけではないようだ。


「あ、安心出来るか! というか離れろ!」


真鈴が由香と僕を離そうとするけど、由香が僕を抱きしめたまま抱っこをするような形で逃げる。


「ちょ、由香、降ろせ!」


「仲良しだね、三人共!」


五泉さんが僕達に向かって大声で叫ぶと、皆が僕達の方を向く。


もの凄く恥ずかしい‥‥


「こら、待て!」


真鈴が僕達を追い掛ける。


由香も足は速いけど、流石に真鈴には敵わなかった。


真鈴は僕達に追い付くと、由香から僕を奪い取るように引き離す。


おもいっきり、真鈴に抱きしめられる格好になる。


「‥‥人前で抱きしめて‥‥本当、仲良いなお前ら」


正岡君がニヤつきながら僕達を見ている。


気がつくと、こちらを見ている半数くらいがニヤニヤした顔をしている。


「いいなぁ‥‥ショウ、私も」


「嫌」


五泉さんが隣にいる恋人の九重翔太ここのえしょうた君に言うと、にべもなく断られる。


真鈴は顔を赤くしてすぐに僕を抱きしめていた腕を離す。


体重を真鈴にかけてた僕はそのまますとんと地面に落ちた。


「ゆ、悠、大丈夫か!?」


真鈴がかなり焦った様子で心配そうに僕に訊く。


そんなに焦るようなことじゃないと思うけど‥‥


「うん、大丈夫だよ。問題ない」


僕がそう答えると、真鈴は安心したように息をつく。


「どこか調子が悪くなったらすぐに言うんだぞ?」


「大丈夫だって、子供じゃないんだから‥‥」


僕は汚れを落としながら立ち上がる。


「『生徒の皆さん、まもなく開会式が始まりますので、グラウンド中央に集合して下さい』」


モモさんの言葉がスピーカーから聞こえる。


「ほら、いちゃつくのは中断! 行くわよ!」


千夏さんが大声で叫ぶ。


いよいよ、体育祭が始まる。


九重翔太ここのえしょうた

身長/体重→178センチ/70キロ。

押しに弱く純情な草食系男子。地味で消極的な性格で顔もそこそこだが、なぜか美人にモテる。学校の成績はいい。

泪とは幼馴染で恋人。


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