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僕の恋人  作者: 織田一菜
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第三十五話 相談

「で、これからどうする?」


おいしい朝食を全員完食した後、奏が私達に訊く。


「どうするって‥‥」


「ちなみに俺は沙羅さんをこの村を案内する」


「いつの間にそんなに仲良くなったのよ‥‥」


三神さんは驚いている。


「迷わないでね」


「迷わねぇよ! ミカじゃあるまいし‥‥」


「なんで私なのよ!」


「だって方向音痴なんだろ? 沙羅さんに聞いたぜ」


奏がそう言うと葉が沙羅さんを睨む。


「他にも色々聞いたぜ‥‥例えば」


「い、言わなくていいから!」


三神が真っ赤な顔で叫ぶ。


「じゃあなんでも言うこと聞く?」


「はぁ!? 何でそんなこと‥‥」


「ミカは十歳の時まで」


「言うな!」


葉が奏を叩く。


「沙羅さーん、葉がいじめるー」


「あらまぁ可哀相に」


奏が沙羅さんに抱き着くと沙羅さんがよしよしと頭を撫でる。


「いじめられてるの私じゃない‥‥?」


葉が呆れた顔で呟く。


「言われたくなかったら何でも言うこと聞くか?」


「はいはい、好きにして下さい」


「じゃあのんたんとデート」


奏がそう言った瞬間、十文字が飲んでいたお茶を噴き出す。


「また‥‥汚いってば‥‥」


「いや、だって‥‥」


十文字も驚いていたが、葉はそれよりもさらに驚いていた。


「な、何で私がこんなやつと、デ、デートしなきゃなのよ!!」


「もっと絆を深めてもらおうかと‥‥友達だったら別に変なことじゃないだろ?」


「だったら別に真鈴とかと一緒でも‥‥」


「それじゃ十文字との絆が深まらないだろ! それとも十文字と二人で行くの嫌なのか?」


「嫌じゃ‥‥ないけど‥‥」


葉が俯きながら小さな答える。


「だったらいいじゃねぇか。ってかどうせ町に行くなら誰か案内する奴が必要だから、嫌って言っても十文字と行かせるけどな」


奏はそう言って笑う。


「一之瀬さんとお嬢様はデートですか?」


沙羅さんが笑顔で私と悠の方を向いて訊く。


私は無言で頷く。


「え!? マジで!? そうなの!?」


「い、いいだろ別に‥‥」


悠が恥ずかしそうに小さい声で言う。


「初デートかぁ‥‥」


「あ、あんまり連呼するな‥‥」


私がそう言うと奏がにんまり笑う。


「もしかして、二人とも照れてる?」


「初々しいですね」


沙羅さんが微笑みながら言う。


「で、みんな何処行くんだ?」


奏は私達だけでなく十文字と葉にも訊く。


「僕達は別に決めてないけど‥‥」


「初めて来たから何があるか分からないし、決めてるわけないじゃない」


「特には‥‥」


悠、葉、十文字が次々に答えるのを聞いた奏が悪者のような笑みを浮かべる。


‥‥嫌な予感がした。


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