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僕の恋人  作者: 織田一菜
32/99

第三十話 家族

どうも、いまだに小説の書き方が分からない織田です。

何べんも推敲してるのに誤字脱字誤変換文章のねじれがある織田です。


ここ変じゃないか?と思ったところがあったら感想欄やブログ等を使ってお知らせください。

基本的には直します。


ブログのアドレス

http://syousetukani.blog133.fc2.com/

私が奏達を追いかけ2階に行くと、悠が物凄い速度ですれ違い階段を駆け降りてった。


続いて奏も悠を追いかけるようにして駆け降りる。


ちらりと見えたその表情から、ただ事ではない気がした。


私達も荷物を大部屋に置いて二人を追いかける。


悠の慌てっぷりは凄まじく、靴も履き替えずに外に飛び出す。


「いったい何があったんだ?」


「私に聞かれたって、分かるわけないでしょ」


私が葉に訊くと、葉は僅かに息を切らしながら答える。


悠は庭に向かっているようだった。


建物の角を曲がり、庭に向かおうとすると、庭に向かう最後の角の手前に奏が立って庭の方を顔だけ出して覗き込んでいた。


「奏‥‥何かあったのか?」


(シッ! 静かに!)


奏が私達の方を向いて唇に指をあて注意する。


その時だった。


「あら‥‥もしかして、悠?」


大人の女性の声がした。


「なんで‥‥なんであんたがここにいるんだよ、結衣‥‥」


すこし間を置いて悠の声。


「それはこっちの台詞よ‥‥あんたに会うなんて何年ぶりかしら‥‥」


私達も奏のように顔だけ出して確認する。


小柄な悠よりも20センチ程高い抜群のプロポーションを持つ長髪の女性が、悠の前に立っていた。


「久しぶりね、悠‥‥あんたみたいな恥知らずな弟、出来れば会いたくなかったけど」


女性は悲しそうな笑みを浮かべて悠に告げる。


(悠の‥‥姉?)


私が二人に聞こえないような小さな声で奏に聞くと、奏は頷いた。


(結衣さんって言って‥‥悠とは結構年が離れてる)


(仲悪い‥‥のか?)


(まぁ‥‥色々あるんだよ)


私の質問に奏はあいまいな答えを返してきた。


私達が話している間にも悠と結衣さんは会話を続けていた。


「今日は‥‥るなさんはいないんだね」


「いるわよ。温泉にでも行ってるんじゃない? それよりも‥‥あの人達は誰?」


結衣さんは私達を指差して言う。


「な、なんで皆ここに‥‥」


悠は唖然としている。


「最初からいたけど‥‥気がつかなかったの? 相変わらず抜けてるわね」


結衣さんは悠を呆れたような表情で見る。


私達が結衣さんの前に出て来ると、結衣さんは奏を見たまま少しの間考え込むような表情を見せ、そして何かを思い出したような表情になった。


「あなた、もしかして奏ちゃん? 全然変わってないわね」


結衣さんはそう言うと奏に微笑みかける。


「二人共、まだ仲良かったのね」


「別に仲悪くなるようなことしてないし」


悠が結衣さんを睨みつける。


「あら、そう? 私はあんなことされたら、もう二度と会いたくないって思うけど‥‥」


結衣さんはそう言うと「ねぇ?」と奏に訊く。


「俺‥‥じゃない、私は別に全然気にしてませんから‥‥」


奏はいつものような笑顔ではなく、幾分か強張った表情で結衣さんを見る。


私のような人間にさえ笑顔で分け隔てなく接し、仲良くしようとして来た奏が見せた、初めての嫌悪の表情だった。


「あら、そうなの? 随分とタフなのね」


結衣はそう言うと私達の方を向き、つま先から頭の先まで値踏みするように見る。


「私は結衣、悠の姉よ。あなた達は‥‥誰? 悠の友達?」


結衣さんが笑顔で聞く。


「左から二宮真鈴、三神葉さん、三神沙羅さん、十文字望海。三人は同級生、沙羅さんは三神さんの母親」


悠がぶっきらぼうに答えると、結衣さんが少しだけ表情を厳しく変える。


「二宮‥‥真鈴‥‥?」


結衣さんはそう小さく呟くと私の顔を凝視して聞いた。


「‥‥あなた、悠とどういう関係? 恋人?」


あっという間に見抜かれた。


顔が赤くなっていくのを感じる。


「恋人です」


私の代わりに葉が答える。


「やっぱり‥‥悠が女の子を呼び捨てにするなんてそういう関係くらいだしね‥‥」


また呟くような小さな声で独り言のように言うと、考え込むような表情になる。


「結衣様!」


ふいに、そんな声が聞こえた。


「結衣様! 迷うから勝手に歩き回らないで下さいとあれほど‥‥」


そう言いながら庭に来たのは結衣さんと同じくらいの背格好の、驚くほどの白い肌、すらりと伸びた鼻筋、そして白い肌に怖いほど栄える真っ赤な唇を持つ美女だった。


美女は私達‥‥というより、悠と奏を見て一瞬だけ驚きの表情を浮かべ、すぐに元の表情に戻す。


「悠様‥‥と奏様、でございますか」


奏は黙って頷き、悠は「久しぶり」と答えた。


「お久しぶりです‥‥そちらの方々はご友人でしょうか?」


「友達と‥‥恋人」


悠は私を見てしっかり噛み締めるように「恋人」と言った。


女性はそれで察したのか女性は黙って頷くと私達の方を向いた。


十六夜月いざよいるな、と申します。以後お見知りおきを」


月さんはそう言って頭を下げる。


「二宮真鈴です」


「三神葉です」


「十文字望海です」


「三神沙羅です。葉の母です」


私達もそれぞれ自己紹介する。


「皆様、悠様をよろしくお願いします」


月さんはもう一度頭を下げ、結衣さんと共に庭を去った。

結衣ゆい‥‥悠の姉。

悠とは12歳差。


十六夜月いざよいるな‥‥結衣と一緒に旅館に泊まった女性。

言葉使いがものすごく丁寧。

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