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僕の恋人  作者: 織田一菜
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第二十三話 救出作戦

ブログ頑張ってます!!

ラブコメ「キス魔な彼女と草食系僕」連載中です。


新しく魔法バトル物も書く予定です。


ですがタイトル決まってません。誰か伝授してください(願)


http://syousetukani.blog133.fc2.com/


twitterはこちら

http://twitter.com/

私が目を覚ますと、そこには知らない男達が立って私の周りを囲んでいた。


「お、やっと起きたぜ」


一人の男がそう言ってニヤリと笑う。


私は体を動かそうとして、気がついた。


私は、体を拘束されていた。


私はベッドのような場所に寝かされ、手は縛られ、足は開かされたまま縄で縛られ、ベッドのような物の柱に繋がれていた。


「な‥‥何だこれは!」


「拘束させてもらってるよ‥‥暴れられたら困るからね‥‥」


そう言って動けない私に顔を見せたのは、城羽学園の制服を着た、見覚えのある容姿が優れた男だった。


「お前‥‥」


「あ、覚えててくれたんだ」


男はそう言うと微笑む。


「あんたは僕のことあっさり振ってくれたからね‥‥もう忘れたかと思ったよ」


「何でこんなことをしたんだ!」


「だって‥‥君を倒せたら付き合えるんだろ‥‥? 付き合ってもらうよ‥‥とことんね‥‥」


男はそう言って私に近づく。


「断る」


「あれ、以外と冷静だね‥‥泣いて拘束解いてくれ懇願すると思ったのに‥‥」


「ふざけるな!」


「ふざけてなんてないさ‥‥僕達は君の屈辱的な姿を見たいんだ」


「なん‥‥だと?」


「君は僕を振った‥‥この僕をね。そして君が選んだのはあの男だった‥‥屈辱的だったよ。僕はあんな奴に負けたのか、とね。そして思ったんだ。君にもこの思いをさせてやりたい‥‥君に復讐してやりたい‥‥」


男はそう言って再び微笑む。


「ここにいる奴らは君によって屈辱を味わった奴らだ。復讐してやりたいと思った奴らだ‥‥そういう奴らを集めたからね」


「私が‥‥?」


「そう、言い換えるなら‥‥君に傷つけられた奴ら‥‥だよ」


男はそう言って私の目の前まて顔を近づける。


「まずは‥‥その顔をぐちゃぐちゃにしようか‥‥」


男はそう言ってポケットから取り出したのは、一本のナイフだった。


男の顔は狂気に取り付かれていた。


私は恐怖で、声が出なくなっていた。


それでも、心の中で、必死に叫んでいた。


助けて――


どうやったって届くわけのない人に、届くわけのないSOSを。


一之瀬―――!!


男はナイフを私に向けて振り下ろそうとした。


私は、顔の表情まで金縛りにあったみたいに、目をつむることも口を動かすことも出来なかった。


「やけに‥‥うるさいな‥」


男が行動を止め呟いた、その瞬間だった。


ガラスの割れる音ともに、大きなエンジン音が小屋の中に響いた。


私が音のするほうを見ると、そこには、バイクに乗った百武さんと、黒いパーカーを着た小柄の少年がいた。


小柄な少年は走ったままのバイクから飛び降りると、その勢いのままナイフを持った男の顔面に膝蹴りを喰らわせた。


「大丈夫か、真鈴!?」


少年は私の名前を呼んだ。


「一之瀬‥‥!?」


私は思わず呟いていた。


黒いパーカーやマスクのせいで完全に顔が確認出来るわけではなかったが、その声は聞き間違えるわけがなかった。


「もう少しだけ、待ってろ」


一之瀬はそう言うと、恐怖を顔に浮かべ逃げようとする男達を次々と蹴り飛ばしていく。


百武さんも、男達を投げ飛ばしたり地面に叩きつけていった。


圧倒的に強かった。


まだ逃げる元気がある男達が逃げようと扉を目指すと、ちょうど入口の扉が開いた。


そこに立っていたのは、葉と十文字だった。


男達は、十文字を見ると一斉に立ち止まり、十文字と葉が男達に向かって走って行った。


立っている男達はあっという間に減っていく。


十文字と葉が扉を開けてから30秒足らずで男達は全員地面にはいつくばっていた。


戦い終わると、一之瀬はマスクを外した。


「あなた達‥‥強いのね‥‥」


葉は少し疲れた様子で息切れを起こしているが、他の三人は全く疲れた様子はない。


「まぁ、こういう奴らを日常的に相手にしてますから‥‥」


百武さんは苦笑いをしながら答える。


四人とも私の手足を縛った縄をほどいていく。


縄はすぐに外された。


「何もされてないですか、二宮さん!?」


私が半身だけ起き上がると、一之瀬が心配そうに聞く。


「ああ、大丈夫だ」


「そうか‥‥良かった‥‥」


一之瀬はそう言うと安堵したように笑う。


その表情は、初めて私が一之瀬に会った時に見せてくれた顔だった。


それまでの不安や恐怖や緊張を、全部どこかに吹き飛ばしてくれる笑顔だった。


気がつくと、私は泣いていた。


初めて流れた涙だった。


「ありがとう、一之瀬‥‥!」


「に、二宮さん?」


一之瀬が私の頬に触れた時だった。


誰かが走って来る男がした。


私に話しかけていた男が、ナイフを持って私達に走って来ていた。


やぶれかぶれになった男は、私ではなく一番男から近かった葉に向かっていた。


「葉!!」


私が叫んだ時にようやく葉が気付いた。


葉が振り向き、何とかかわそうとするが、すでに男は間近にいた。


間に合わない――


私は思わず一瞬目をつむる。


目を開けると、葉は刺されてはいなかった。


十文字が葉を庇うように立っていた。


「‥‥空気読めや!!」


十文字の真横にいた百武さんがそう叫んで男を殴り飛ばす。


それとほとんど同時に、十文字は崩れ落ちた。

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